satoimo's diary

人生も折り返し地点を過ぎた。自分を大切にするためには...

居宅ケアマネ

おかしいでしょ

「早急にベッドを入れてほしい方がいるのですが・・」 訪問看護師さんから連絡をもらい、初めてお会いした女性は80代、ガン末期。長距離ドライバーの息子さんは不在で、昨日までは2階の寝室へ行き来できていたが、足がむくみしんどく、その日は1階のソファー…

ガン末期自宅退院

個人情報を口外してはならないのは100も承知だ。ただ、抱えきれないことが増えている。ケアマネ個人では抱えきれない感情。個人を特定できない範囲で、自分の気持ちを落ち着かせるために綴りたい。なんとも自分勝手なことだとの認識もある上で。 40代前半の末…

金銭管理

老後2千万円問題。お金の問題は切実だ。 在宅高齢者の介護サービスを調整することが居宅ケアマネの主な業務だと思っており、今まではご家族の協力もあり、そこまで深入りせずとも支援は成り立ってきたが、ここ最近は状況が変わってきている。 一人暮らしの認知症…

高齢者虐待ケース

虐待ケースですと、明言され引き継いだ。 「80代の母親に金銭的・身体的虐待、介護放棄をしている障害手帳保持の60代の息子」 事実のみ表記すると、人によって感じる印象が異なるのは仕方がない。だがこの親子に直接関わっていない行政の方々へ報告するには…

虐待ケース依頼から気づいた自分の過去

虐待ケースなのですが・・・と支援依頼があった。 脳梗塞や心疾患既往から要支援認定となった61歳傷病手当受給中の長男と、転倒後急激に身体能力が低下し要介護認定となった母親86歳の二人暮らし。 1日1食しか与えられていない、長男が母の年金を生活費に…

定時帰宅

ドラマ「不適切にもほどがある」で描かれる働き方改革について。自分なりに考えさせられることが多い。 地方都市の福祉施設勤続18年。居宅介護支援事業所へ部署移動し、どの部署も人が足りず、新規依頼は増え、困難ケースも確実に増加中。ICTは追い付かず…

90代女性一人暮らしの思い

夫に先立たれて40年以上が過ぎ、二人の息子は高校卒業と同時に家を出て都心の大学へ進学、共に外資系企業に勤め帰省は年数回ほどだろうか。二人とも家庭を持ち、孫にも恵まれる。女性の二人の兄はもうおらず、唯一地元に残る甥っ子が、息子に頼まれ様子伺…

管理職の娘と一人で外出し転倒を繰り返す認知症の母

(タイトルだけ見ると、なんとも失礼な型にはめた一文になってしまった。認知症の・・・なんて一括りにネーミングするのはあまり好きではないのだが。) 80代の母親は徐々に物忘れが進行し、着替えや食事などが一人では難しくなってきた。母親と二人暮らし…

壊れかけのケアマネジャー

保証人がいないから、賃貸契約ができない。 保証人がいないから、入院・手術ができない。(これは緩和されつつあるかも) 就職するとき、施設に入所するとき、学校に進学するとき、奨学金を借りるとき、住宅ローンを組むとき、保証人、もしくは連帯保証人が…

科学的介護

上司に命じられ、新しくオープンする特別養護老人ホームへ見学に行った。同じく同法人の生活相談員の女性と二人で、パチンコ店の頭とりにでも行く気分だった。 国道沿いにある4階建ての建物。1階は駐車場で、道路揃いには砂利敷の合間に樹木が植えてある。…

貧困ビジネス

「泥棒の顔なんて見たくない!警察には言ってある!帰れっ!!」 一人暮らしの90代女性。物盗られ妄想どころか、実際に何度も警察に通報したり、救急車要請するなど周囲を巻き込み、女性の主張は曖昧なため、方々から担当ケアマネに確認の連絡が来る。認知症だ…

とある女性介護者の回顧録(高利貸しの話)

大手企業技術職の夫は、結婚翌日から自宅に直帰しなくなった。 女性は3人の息子を抱え、夫の転勤先について回ることとなる。二人は同じ地元で育ち、中学生の頃、1級上の夫宅へ、母に連れられて女性が裁縫の仕事に出入りしていたことから、素行優良児と揶揄…

Amazon Alexa 高齢者見守りの展望

私の担当させていただいている要介護認定を受けられた方の中でも、女性の一人暮らしは多い。息子介護もかなり増えているが、子供さんらは県外というケースも多い。コロナ禍もあり、帰省がかなわい数年を過ごした。 都会の息子さんが、見守りカメラやスカイプ…

おひとりさまと言うけれど。

90歳を過ぎてもレギンスにオーバーTシャツを合わせるようなおしゃれな女性。 好き好んで独り身を貫いてこられたわけではない。異母兄弟も従妹とも疎遠になり、身寄りのいない状況で相談が舞い込んできた。 物忘れの自覚は持っておられるが、今までの習慣と…

介護保険制度と私

要支援認定になるとデイケアとデイサービスの併用ができず、回数も制約がある。 昨年の認定時は、骨折による退院直前の調査で要支援2→要介護1になった女性。今回の認定では要支援2の結果となった。調査や審査会のことはさておき、明らかに女性は元気になっている…

何かあったら、何でも言ってくださいね。

「何かあったら、何でも言ってくださいね」 利用者様宅からの帰り際、口癖のように言っていたかもしれないこのフレーズ。改めて無責任に発した言葉の重みを知ることになる。 退勤時間を過ぎ、帰り支度をしようとしている時だった。普段、ほとんど関わりのな…

退院支援

見えないから、わからないから不安になる。 早く退院させたい。でもGWに具合が悪くなったらどうしよう。介助すれば食事は食べるはず。経管栄養はしたくない。寝たきりになっても私がおむつ交換くらいできる。けれど、一人で全部担うのは不安。このままだと、…

施設入所

90代高齢夫婦の二人暮らし。 要介護5の妻を要支援2の夫が介護されている。夫はまだ在宅でコンサル業務をされており、易怒性もみられるため慎重な対応が求められる。 夫から施設入所の相談があった。 とにかく妻は入院を嫌い、数日で自己退院され急激なレ…

本人のいるところから

「本人のいるところから・・・」 4日×3か月かけた主任ケアマネ研修が終わった。ZOOM開催のため個室に一人缶詰め状態となり、パソコン画面に向かってやり取りするその様は、何かのバラエティ番組の企画のようでもあった。(一人なので感染症の不安はない) …

大丈夫

自殺未遂歴のある一人暮らしの70代女性。 毎月の訪問でのことだった。 年末年始感情が不安定になり「楽になりたい」と息子さんへメールしてしまい「お母さんばかり楽になっても、僕らは一生つきまとうんだ」と叱られたとの話から、自殺未遂となった経緯や、…

言い訳

普段は温厚な80代後半の利用者さんのご主人。とあることがきっかけで激昂し、自宅玄関先で市役所へ電話を掛けられる場面に居合わせた。 ご主人は難聴もあり一方的に話をされる。電話先の女性とはタイムラグがあり、間合いが合わず、言葉が重なり、互いに相手…

研修

ソーシャルワークの研修で、自分が幸福でないと物事の捉え方も悲観的になりがちで、許容できなくなるというような話があった。 出来事は同じでも、人によって、さらには自分のその時の幸福度で受け止め方が異なる。ならば、いつも気持ちを落ち着けて幸せに浸…

「三等分しよう」という男

その男の義父はガン末期であり、おそらく退院は見込めないだろうと、男は義姉の反対を押し切る形で義父の自宅アパートを解約し、妻や義姉には義父が退院した際には同居しても良い。そのために新たな部屋を探していると伝えていた。 確かに義父はガン末期であ…

相談依頼

何となく気分転換に髪を切りたくなることがある。ある程度のイメージをもって、なりたい雰囲気のヘアスタイルをスクショシして持参する。本当は、美容師さんになりたいイメージから、幾通りか提案してほしい気持ちもあるが、ゼロからのスタートでは施術に入るまでに時間を要してし…

コロナ感染者増により在宅の高齢者で起こっていること。

一人暮らしの高齢女性、毎月の訪問アポのためお電話すると、「のどの痛みがあり、数日前は発熱があった、今は大丈夫だけど」との話。利用中のデイサービス、デイケアともコロナ陽性者発生のため休業中であり、症状もあることから受診を促した。 擬陽性の状況では、明日…

住宅改修

家を建てる際、将来、家主が高齢となり、思うように体が動かなくなった時のことを想定して設計される方はどれほどおられるのだろうか? 道路から玄関までの階段や、玄関の上がり框、室内の敷居や浴槽の高さ、広々としたリビングなど、意外と障害と感じられる…

タヌキ現る

久しぶりの晴 れ間、平日のお昼前だった。崖に面した住宅街の角地にある一軒家に娘さんと住む90代の利用さんの家を訪ねた。 娘さんは保護猫の活動をしており、自宅には小さな扉があり、地域猫が何十匹と出入りし、時にはアナグマもやってきては、常備してい…

続・虐待か・・・

母親への虐待が疑われた長男は、施設入所を主治医が手配した翌日、母親の体調が悪いと救急車を呼び、他病院への入院となった。 いったん振出しに戻る。 数日後、市の職員と長男の状況確認へ自宅へ訪問した。 長男の体調を気遣いつつ、暴力行為や施設入所の話…

脳梗塞

脳梗塞は倒れるものだと思っていた。 母の場合は、まっすぐ歩けない、何となく左に傾くくらいで、歩く際には足が上がらないが、その場では足を上げることができ、受け答えもしっかりできており、救急車を呼ぶなんてそんな重症ではないと思っていた。 後々調…

目力

ユマニチュードのケア技法の中で、相手の目線に合わせて目を見て意思疎通を図ると、相手も自分を認められたようで、こちらの話に耳を傾けてくれるという。 介護の現場では、ベテラン看護介護職になるほど、動作はスピーディーで、口では次の行為の声掛けをし…