satoimo's diary

人生も折り返し地点を過ぎた。自分を大切にするためには...

東京旅1日目

1月末の夜明け前

アラームよりも先に目覚め

ひんやりとした空気を胸いっぱい吸い込む

前日は気分が高揚し眠れなかった

まだ真っ暗な高速道路を慎重に運転する

 

心配性な私は

早めに出発し案の定

早めに駐車場へ到着

乗り遅れてはなるまい

 

娘と2人のときは

フットワークが軽い

 

そう

彼女がまだ保育園児のとき

七夕の短冊につたない字で

リズニーランドにいきたい!

と書いていた

 

ディズニーランド・・・

行きたいね

 

小学5年生になり

原宿に行きたい!

 

自宅にWifiを設置し

タブレットでネットの世界を知った彼女は

自分で好きなブログを発掘し

東京の情報を知り

かわいいが集まる街

原宿にたどり着いたのだ

 

地元のハンズには売っていない

肉球石鹸が買いたい!

 

オカリナがテレビで徘徊していた

あの場所へ行ってみたい!

 

いつのまにか

自分の意志を持ち

好きなことがが分かり始めた彼女

 

今しかないと思った

 

準備が整うのを

待っていたら

いつ行けるか分からないし

思った時に行動しないと

何も始まらない気がして

冬場のインフルエンザの心配をしていたって

学校があるから行けないかもなんて

行けない理由ばかり探すのは止めた

 

実は

私も東京に行きたかったのだけれど

思っているだけで

行動できずにいた

彼女の思いに背中を押され

チケットを手配したのだった

 

羽田からモノレールで浜松町を目指す

 

彼女はこの旅の感想として

モノレールがすごかった

とひどく感動していた

ビルの間を傾きながら走行するモノレール

初めて乗るモノレール

一つでも心に残ったようで

嬉しかった

 

東京に行くのは何年振りだろうか

仕事の合間に行きたい場所をピックアップし

移動手段を調べた

ガイドブックを1冊購入し

なんとなくプランを作成してみた

 

乗り場が分からなかったらどうしよう

なんて不安もあったが

何とかなるさ・・・

 

空港の搭乗口

駅のホーム

切符売り場

必要なことはすべて表示されている

ご丁寧に色分けして床にも線が書かれているし

日本語が理解でき

行き先が明確ならば

何の問題もなかった

 

アナウンスをしっかり聞いていれば

乗り換えも容易だった

 

私にとっての旅とは

テレビで見たものやガイドブックで見たものなどを

「確認」する作業に近い

 

もちろん

行った先で予想外のものに出会うのも楽しみだが

ガイドブックで見た通りの場所へたどり着き

満足感を得ているのかもしれない

 

な~んだ

私でも行けるじゃない

 

今回は彼女も一緒であったので

危険がないように気を張っていたけれど

 

浜松町から山手線に乗り渋谷を目指す

平日の昼間ということもあり

人はまばら

サラリーマンがやたらと目についた

 

予定より早く渋谷に到着

彼女のお目当ての店の開店前であり

スクランブル交差点やセンター街をぶらり

 

ほら

ハロウィンで人があふれているスクランブル交差点だよ

 

彼女より私の方が浮足立っていた

 

渋谷のハンズで肉球石鹸を手に入れ

徒歩で原宿へ向かう途中

水曜日のアリスで懐中時計を購入し

キャットストリートを抜け

竹下通りへ

 

見てみて

マリオンクレープってさ

テレビで出てたよね

 

なんか

街が汚れてるね・・・

 

そうだね・・・

 

竹下通りの店舗も

地元にあるものが多いようだった

 

今の時代

都会と地方の違いがなくなりつつあるのだろう

 

現に

彼女もネットを使い

原宿の情報を仕入

こうして原宿に来てみても

 

そんなに変わらないね

なんて

 

それが良いのか悪いのかは分からないし

世の中がそうなっていっているという

ただそれだけのこと

 

目で見て肌で感じてほしかった

原宿

世界は広い

ネットで見ているのは現実であること

体験して目で見ることで

また違った視点がもてるのではないか

 

そんな私の気持ちを知ってか知らずか

マイペースで

ほしいものを見つけ吟味し購入していく彼女

 

原宿駅から再び山手線に乗り

上野を目指した

 

ピヨピヨ♬

まだ子供料金の彼女が改札を通ると鳴る音

 

平日に学校を休ませたこと

今までの私ならそんなことさせられなかったし

親戚の結婚式です

なんて虚偽の申請をさせたくはなかったけれど

週末は金額が高いし

人も多い

嘘はつかせたくないけど

人が傷つかない良い嘘もあるんじゃないかな・・・

(後日、担任の先生に会う機会があり

 彼女に東京を見せたかったことを打ち明けてお詫びした)

 

アメ横に到着

年齢層は上がり外国人が多い街

路地にまでせり出した魚介類や干し物の数々

年末に必ずと言ってよいほどテレビ中継される商店街

その雰囲気を味わう

 

うわぁ

めちゃめちゃ安いよ

果物も買いたいなぁ

 

アメ横を「確認」し

ラッシュに巻き込まれないよう

早めに東京駅へ向かった

 

ここが日本の中心地東京駅

さすがに大きくて

すべてを回ることはできなかった

 

地下街はどこまでも店が並んでいて

人が行き交う

明日の朝のパンを買い

JR京葉線で新浦安を目指した

 

車窓からスカイツリーが見える

 

見てみて

スカイツリーにも行きたかったね

ここから見れて良かったね

 

ふ~ん

そうだね

と彼女

 

早朝に出発したため疲れてきたのだろう

寝入ってしまった

 

夕暮れ前

スカイツリーを目で追っていると

向かい側に中年のカップルが座った

 

女性はドナルドのぬいぐるみ調のポシェットを身につけ

同じくドナルドのドリンクホルダーを首から下げ

隣の彼の肩に身を任せて

しっかりと手をつないでいた

その彼はかなり個性的な服装で

ただそっと肩を貸している

 

平日の夕方

今から行くのかな?ディズニーランドへ

 

やはり

東京は人が多い

そして

色んなタイプの人間がいる

 

そのカップルを眺めながら

年甲斐もなくドナルドを身に着けていることが

逆に素敵に見えてきた

人が多いため2人だけの世界に浸りやすいのかもしれない

皆知らないふりをして通り過ぎるから

深いつながりを狭い人間関係の中で求めるのかもしれない

人にどう思われようと

好きな恰好をして良いし

人に迷惑をかけなけば

好きなことをしても良い

皆と一緒である必要なんてないんだろう

人と違って当たり前

気の合う人を見つけその世界に没頭する

幸せになってほしいな

 

なんて妄想する間に駅に到着した

 

駅に隣接した成城石井

買い物がてら「確認」し

ホテルへのシャトルバスを待った

 

海に近いその町は

ゆとりのある設計で整備され

ショッピングモールも近く

東京へもそれほど遠くはない

住みやすそうな雰囲気であった

 

中国人らしき親子と一緒にバスに乗り込み

無事ホテルへ到着した

 

できたばかりのホテルは真新しく機能的

1階のコンビニでは

東南アジア出身と思われる店員さんがおり

ホテルの従業員も外国人が目についた

 

大きなベッドに倒れこむ

よかった

無事にたどり着いた

 

本音を言えば

だれかに相談したいし

心細いときにはそばにいてほしいのだと思う

そんな心細さを振り払い

今を生きることにした

楽しいことをみつけながら

何かにチャレンジし続けたい

こうして東京に行き

また一つ自信がついたのだから

好きなことをしていいんだって

 

彼女は

ホテルに泊まることも

一つの目的であった

 

何度もお湯をためてお風呂に入り

好きなテレビを見ながら

好きなものを食べていた

ホテル内を散策し

自由を満喫しているようだった

 

私は

明日のディズニーランドの

予定をアプリで確認し

彼女よりも先に眠りについた