satoimo's diary

人生も折り返し地点を過ぎた。自分を大切にするためには...

文化祭

息子の文化祭の駐車場係のため

休みを取って中学校へ向かった

運よく日陰のポジションにあたり

「徐行」の看板をもって

片手を振り誘導する

 

体育館からは

ダンスの音楽が漏れ聞こえていた

ダンスと言っても我々の頃のそれとは違い

ヒップホップとでも言えばよいだろうか

軽快なリズムに思わず体が動き出す

周りに悟られないよう足先でリズムを刻みながら

昔のことを思い出していた

 

 

私の住んでいた地域には大学があった

小学校高学年にもなると

友達同士で学園祭に出かけたものだ

広大な敷地にたくさんの校舎があり

迷路のようで迷子になりながらも

出店の食べ物屋に辿り着く

 

「きっと君たち美人になるよ」

なんて大学生のお兄さんに言われて

友達と顔を見合わせたものだ

 

フィールドハウスから聞こえてくる

ドラムの音やベースの重低音

初めて聞くバンドの音楽に

何か楽しいことが始まりそうで

ワクワクしたものだった

 

そんな気持ちは今でも変わらない

 

彼は反抗期の合間に

たまに話をしてくれることがある

「劇するけど 絶対見に来ないでよ

 大臣役をするからさ 髭作ってよ」

 

生憎

劇の前半は駐車場係とかぶり

鑑賞できなかった

後半

急いで体育館に入りビデオカメラを回す

 

外は秋風も涼しい爽やかな空気であったのに

体育館の中は言葉の通り蒸し風呂状態

思春期の生徒たちの熱気で漲っていた

 

「恥ずかしがってする方が よほど恥ずかしいから

 ふりきってしなよ」

そうアドバイスしたがどうだったろうか・・

押すなよと言って

本当は熱湯風呂に押して入れられるのを待つように

本当は見に来てほしいのだろうか?

それとも・・

 

彼が反抗期に突入してから

初めのうちはこちらも戸惑い

体当たりでぶつかり合い

壁に穴も開いた

とある事件以降は

彼も何かに気づき自分でやる気スイッチを押した

 

私は

見守ることに徹して

お腹いっぱいご飯を食べさせ必要な経費を捻出した

それ以上は求められない限り

余計な手出しはしないように意識して

自分の好きなことをするようにした

 

そうするうちに

お互いに良い距離が保てるようになり

彼を一人の人間として

認識することができるようになったと思う

 

もう子供じゃない

 

劇の最後は

GreeeeNのキセキにのせて

彼らの3年間の写真が映し出された

 

涙がこぼれ落ちそうになる

 

私がこうしている間にも

彼らは成長している

それは当たり前のことなのだが

とても尊いことだと

 

彼の小学校の卒業式は

ただただ嬉しかった

早く大きくなれと思っていたから

 

中学校の入学式は

退場の「君の瞳に恋してる」の生演奏で

1人号泣だった

 

また一つ成長してくれて

とても嬉しかったから

 

いつもフルスロットルで突っ走っており

立ち止まることなんて忘れているが

たまにこうやってきっかけをもらい

すべてのことに感謝する

 

今ここにあるキセキ

 

人間関係で悩んだり

思うようにいかないこともあるけれど

そんなのちっぽけなことで

それよりももっと尊いことがたくさんある

 

彼はもう彼の人生を歩き始めた

 

彼に胸を張って自慢できるよう

私もやりたいことはやる

全部やり切ったと思えるように

私は私の人生を歩んでいく

 

 

できることなら

文化祭のステージで演奏する

少年に会いたい