satoimo's diary

人生も折り返し地点を過ぎた。自分を大切にするためには...

私トマト食べれる!!

トマトは苦手だった・・・

 

幼いころ、友達のおじいちゃんの畑で、もぎたてのトマトを食べた。ヘタの部分はまだ青々としていて大きなトマトだった。見るからに酸味の残る昔ながらのトマト。一口頬張ると、中からゼリー状のトマト果汁が口いっぱいに広がった。

 

あの日以来、生のトマトは食べられなくなった。加熱してあるトマトは、おそらくあのゼリー状のものを感じられないので食べることができる。

不思議と、学校給食に生のトマトが出てきた記憶はなく、トマトと距離を置くことができた。

栄養士として献立をたてていた頃、彩を考えてトマトをよく使っていた。自分が食べることはなかったため味付けは分からないままだった。

食事に出かけるとサラダにはトマト、付け合わせにはトマト、職場の給食でもトマト。

 

トマトは食べられない。

 

そう思って、無意識に皿の端に寄せていた。そうやってアラフォー迄生きてきた。

私は、生のトマトは苦手なので食べられない。

 

ある日

 

大好きな人が連れて行ってくれたフランス料理店。一緒に過ごせることが、とても幸せで、もちろん料理もおいしくいただいていた。

 

そして、サラダにはトマト。

 

彼は食べ物の好き嫌いはない。なんでもおいしく食べられるし、付け合わせのパセリやレモンまで、しっかりと味わう。私もそうありたいと思ってはいたが、思うだけだった。

 

でも、今日は、食べてみよう。

 

1人覚悟を決めて、サラダのトマトを一口で頬張った。ゼリー状の果汁が口いっぱいに広がった。

 

トマトってこんな味だったな。

 

いや、食べれないことはない。私はトマトが苦手だから食べられないと思い込み、信じて疑わず、当然のようにトマトと距離を置いてきたが、自分をアップデートできなかっただけだ。

 

サラダに続いて、メインは白身魚のソテー。そして、付け合わせにはミニトマト

 

大丈夫、食べてみよう。

 

大ぶりのトマトとは、また一味違う食感と味わいだった。ほんの少しゼリー状の果汁が口に広がる。

 

私、トマト、食べれる!!!

 

彼を目の前にして、何十年と苦手だと思い続けていたトマトを食べることができた喜びを、こっそりと感じながら楽しい時間を過ごした。人は変われないなんて言われるけれど、そんなこともない。少しだけ、自分の思い込みから抜け出す術を身に着ければ、なんだってできる。変わることだって不可能じゃない。周りに言われて変わるのは難しいかもしれないが、自分の中から変わりたいと思えれば、それは可能だと思う。

 

トマト食べてみたらと勧められたわけではないが、彼のおかげで、トマトを食べることができた。私の独りよがりではあるが、彼のおかげである。

 

あの日以来、職場の給食でトマトが出てくると、彼を想いながら、パクッと一口で食べている。苦手だと思っていたトマトだが、トマトを見ると彼を思い出すという幸せな食べ物の一つになった。

 

ありがとう。

 

私、トマト、食べれる!!