私の住む自治体でも12歳以上のコロナワクチン接種予約が始まった。
予約受付当日、8:30前からスマホにてスタンバイ。子供2人分同じ日の同じ時間に予約するため急いでマイページを作成する。
目星をつけていた病院は、早くても10月後半だが、その中でも、1日でも早いところを予約。
9時になり、ダメもとでかかりつけ医に電話するも話し中。しつこくリダイヤルし、やっと繋がった。事前情報とは違い、9月頭に予約が取れた。
月曜日の午前中。
学校は公休扱いになる。
やっとの思いで予約が取れて、安堵して息子にLINEすると、想定外の返答だった。
「勝手に予約すんな
前もって言って」
・・・
一瞬で頭に血が昇る。こちらは、必死に情報収集して、想定外に早く予約できて、良かったと言ってくれると、私は勝手に思っていたから。
そうか
いつもこのパターンで喧嘩になる。
ひとまず、彼の気持ちになってみよう。
高校二年生男子
夏休期間中、ステイホームで友人とネットゲーム三昧。コロナ禍の現実を知るツールもなく、ワクチン供給の逼迫など耳にも入ってこない。もちろん、全国の新規感染者数も、自宅療養の状況も、他人事ではなくなっていることも認識はない。時間になったら、ご飯が出てくるし、好きな時間に起きる。守られており、なんら生活に支障はない。テレビは見ない、YouTubeで好きなものだけを見る生活。危機感など感じる場面もなく、限りなく狭い世界を生きている。自分本位な居心地の良い世界、それが彼のいる世界。
そう考えると、ワクチン接種の日程を自分で選択したいという発想にもなるか。今、現実世間で起こっていることを彼に教えるのは、私の役目だ。
いつもなら、感情的に怒るところだが、今回は、敢えて下から、お願いに出ることにした。
「勝手に予約したのは申し訳なかったけど、今は日程など選べないの。早く予約取れた方だと思うし、祖母に感染させないために協力してほしい。
お願い。」
・・・
こちらの予想外の返しに、彼も戦意消失したようだった。
今日から、分散登校が始まる。
ネットゲームも否定はしないが、今実際の世界で起きていることを認識してほしい。1人で生きているつもりかもしれないが、こうしてコロナ禍の影響は確実に受けるし、自分の身は自分で守らねば、もう私も四六時中、彼を守ってあげることはできない。
どうか、自立してほしい。