satoimo's diary

人生も折り返し地点を過ぎた。自分を大切にするためには...

住宅改修

家を建てる際、将来、家主が高齢となり、思うように体が動かなくなった時のことを想定して設計される方はどれほどおられるのだろうか?

 

道路から玄関までの階段や、玄関の上がり框、室内の敷居や浴槽の高さ、広々としたリビングなど、意外と障害と感じられる部分も多い。

 

介護保険の住宅改修制度や自治体の住宅改造制度などにより、いわゆるバリアフリーへの改修工事に対して補助金が支給される場合もある。

住宅改修においては、その工事をすることで、その方がどうなりたいのかなどの理由書を書く作業があり、請負業者さんに在籍する有資格者の方が、理由書も含めてすべて段取りしてくださることがほとんどだが、まれに介護保険制度に明るくない工務店さんから、理由書作成の依頼を受けることもある。

 

とあるご夫婦のケースだった。

 

ご主人に内緒で奥様が台所の床の張替えとユニットバスの工事を希望されていたらしく、とある工務店さんから、こちらに理由書作成の連絡が入る。

 

床の張替え自体、住宅改修には該当しないのだが、どうやらその工務店さんから補助金の提案があったらしい。ご主人名義でと言われるが、ご主人は自宅での生活に何も障害を感じられてはいないようだが。

 

奥様に、本当に奥様が希望された工事なのか?大きな金額であり、息子さんらに相談されたのか?数社見積依頼されたのか?何度も確認させていただき、話が二転三転し、数か月経過した。

 

最終的には息子さんが間に入り、制度を利用した工事を進めることにはなったのだが。

 

奥様の話によると、台所の床の張替えについて、数社見積を依頼していた際、隣家に出入りされていた工務店が営業に来られ、一番安い金額と制度利用を提示。ご主人に内緒で契約書に捺印した。その後の見積もりにて、工事費用が追加され多額となり、同業者である息子さんの友人に相談、そこから息子さんに話がいき、工事は一時保留。その間に、工務店の社長と営業マンが自宅訪問され、「この契約が流れたら、私どもは首をつらなければならない」と工事続行を懇願され、結局、この工務店に依頼することになったとか。捺印されたことは、息子さんにも話しされていない様子。

 

明らかに怪しげだが、奥様と息子さんが希望される工事にノーを言うこともできずに、理由作成のため自宅訪問し、工務店の方と現場を確認した。

 

台所の床のかさ上げは金額が上がるので、二か所の敷居にはスロープを設置、トイレは敷居を外して床も張替え、敷居分のドアに隙間が空くためにドアを下げて・・・

 

と一生懸命に説明してくださるが、そんなチグハグな工事で大丈夫なのか?段差解消とはいえ、二か所の敷居へのスロープは見た目もおかしいし、逆に躓く可能性もある。出来上がりを想定した写真もなく口頭での説明で、奥様もよく分かられていないのでは。ここでも、何度も奥様にも確認するが、「それでいいです」の一点張り。

 

なんとも釈然としないまま、段差解消は確かに住宅改修の理由にはなると自分に言い聞かせて理由書を作成した。

 

これで良かったのだろうか。

 

日中のテレビで繰り返し流れる健康食品の通信販売。

一度注文すると、定期で配送されたり、系列の販売会社から勧誘の電話がくる。

 

自宅に営業に来られる宅配牛乳。

玄関に牛乳入れボックスを設置されるが、取るのを忘れてどんどんたまっていく。

 

一昔前も訪問販売で布団を買わされたなどテレビでも取り上げられていたが、今もなお続いているようだ。ただ、本当に本人が必要だと思っていたら、それはそれで何の問題もないのだろうけど。

 

遠くに住む家族が帰省した際に、定期購入の通信販売や宅配牛乳業者へ連絡し解約した話を聞くことも多い。今回の住宅改修も、それらと同じようなにおいがして仕方がない。