satoimo's diary

人生も折り返し地点を過ぎた。自分を大切にするためには...

コロナ感染転院

退院まで1週間を切った母は、入院先でコロナに感染した。

 

10日間の隔離が必要となり、退院は延期。すべての予定がひっくり返る。誰にあたりようもない、仕方のないことだとは分かっている。

 

入院先はリハビリメインの病院であり、隔離対応の前例がないらしい。陽性初日に保健所へ転院要請するもかなわないと、何度も病院から連絡が来る。栄養ドリンクに体拭きなど言われるがままに準備するが、肝心の母の様態の説明はほとんどない。

 

翌日、保健所から連絡がきた。熱が上がったため入院先では対応できず、入院先から転院希望あり、家族へ意向確認が必要だという。その確認事項は、「延命処置を希望されますか?」というものだった。

 

母の様態がわからぬまま、突きつけられた確認事項。保健所の方も、母とは会ってもいないし状態も入院先からの報告のみ。ただ、行政としてマニュアル通りに話されていることが分かる。感染者数が爆発的に増加している中で、母への対応をしていただき申し訳ない気持ちもある。しかし、なかなか酷な質問だ。

 

延命希望を伝えると、「それでは転院は難しいです。エクモや気管挿管、人工呼吸などの延命を望まれないなら、比較的転院先も見つかります」との返答。まったく意味が分からず、「延命」という言葉にたじろぐ。母の様態は知りようもないが、このまま転院しなければ、必要な医療が受けられない可能性がある。

 

結局、「延命は希望しません」とはっきりと言葉にした時点で、転院調整しますとの返答になった。

 

入院先から救急車でコロナ病床のある病院へ搬送となった。受け入れていただけるだけでもありがたい。受け入れ先の病院も、混乱しており、母が搬入されたのか、様態はどうなのか確認のしようもなかった。本当に、母だったのだろうか。別人だったりしてなんて思ってしまう。入院手続きも、家族の確認もなにもないまま身一つで搬入されたのだと思う。母はどんなに心細かっただろう。

 

翌日、幸いLINEが使える状態らしく、食事も喉を通らないほどの痛みと、また車椅子生活に戻ったとの連絡がきた。

 

入院先の言語聴覚士さんの子供さんらが立て続けに数日前に熱があり、病院では風邪との診断。その間も休まず出勤され、言語聴覚士さんの陽性が判明、濃厚接触者となる母は1度はPCR検査陰性となるが、熱発し陽性となったらしい。母が特別室に隔離されている間、看護師さんたちがアイスノンをもって廊下を慌ただしく走り回る音がし、同じく言語療法を受けられていたもう一方が熱発されたらしい。

 

どうか、この話は誰にもしないでねと母。もちろん、話すつもりもないし、仕方がないことではあるが、自分も感染が疑われるときには、無理に出勤するのは控えようと身の引き締まる思いがした。その日仕事に行かなくても大したことはない、それよりも、他の人に移してしまう方が怖いから。

 

感染するのは仕方がない。

他の人にうつさないよう、感染を広げないように自分で気を付けるしかない。