satoimo's diary

人生も折り返し地点を過ぎた。自分を大切にするためには...

コロナ感染者増により在宅の高齢者で起こっていること。

一人暮らしの高齢女性、毎月の訪問アポのためお電話すると、「のどの痛みがあり、数日前は発熱があった、今は大丈夫だけど」との話。利用中のデイサービス、デイケアともコロナ陽性者発生のため休業中であり、症状もあることから受診を促した。

 

擬陽性の状況では、明日予定のヘルパーさんも支援に入るのは正直躊躇する。デイサービス、デイケアとも発症者確認日に利用はなく、うちでの感染ではないので、自分で検査受診に行ってほしいとのこと。

 

再度、女性へ連絡すると、「今朝からエアコンのリモコンがなく、それどころではない。暑くてどうにかなりそうだ」と受診に行ける状況ではないらしい。

 

一人息子は県外、近所に親類もなく誰がリモコン探しを手伝い、受診を手助けしてくれるのか・・・。このままでは、コロナどころか熱中症で倒れてしまう。

 

担当ケアマネの私しかいない。

 

看護師ではないただのケアマネだが、防護服に手袋、フェイスシールドを装着し女性宅へ向かった。「一緒に行ってあげたいけど、密になるから気を付けてね」と送り出される。私のミッションは15分以内にリモコンを見つけること。感染対策に不安を感じながらも「これはもうレスキューだな」と冗談半分に心を落ち着かせる。

 

女性宅は、窓は開放しているものの扇風機だけでかなりの暑さだった。暑さでフェイスシールドは曇りリモコン捜査は難航を極めた。女性も汗だくであり、少し離れた椅子に腰かけていただき水分摂取と更衣を促す。難聴であり、近くにいかなければ会話もできない。

 

15分間ではリモコンは見つからず、本体の応急スイッチにより稼働させることにした。涼しい風によりとりあえず女性をレスキューできたが、「今日はもう大丈夫だから病院には行かない」と女性。食事の確保を確認し、いったん事業所へ戻った。

 

県外の長男さんへ状況報告し、リモコン購入と受診の促しの連絡をお願いする。

 

翌日、女性へ連絡すると「ご飯もおいしいし病院には行かなかった」との返答。デイサービス、ヘルパーとも、検査を受けず擬陽性の状態では支援に入れない。女性は「今は症状はなく大したことではないとの認識で、病院に行くのも足が痛くて一苦労、皆何を騒いでいるの?」とどこ吹く風。

 

結果、擬陽性として症状が出た日を0日とし、10日間、介護サービス利用なしとして対応させていただくこととなった。女性も「こんな大事になるなら検査に行けばよかった」としぶしぶ納得。食材も数日分あり、女性も自分で動けるため何とか乗り切れそうだ。

 

県外の息子さんから2日後に検査予約をしたとの連絡を受ける。10日間待機により検査は不要となったことを報告、せっかく予約したからと受診予定になった。

 

コロナ感染は確実に高齢者にシフトしていきている。

 

子ども達が保育園が休園になり、保護者が仕事を休まざるを得ず、社会が回らない状況があったが、今まさに、高齢者施設や介護サービス事業所で感染者が出ると従業員も感染し休業せざるを得ず、代替サービスも整備されておらず、仕事を持っている介護者は仕事を休んで自宅でみることとなる。

 

その際に、ケアマネに不満をぶつけられる介護者もいる。

 

代わりに預かってくれるところを探してください。

ケアマネさんも一緒に考えてください。

仕事は休めないので困ります、どうにかして。

 

十分お気持ちは分かります。

でも、介護サービスだけでは普段通りの生活を継続支援するのは難しいのです。どの事業所も感染者発生のたび、保健所へ連絡、消毒、休業、従業員感染による人手不足。もう有事ともいえる状況であることを、ご理解いただけないでしょうか。

 

しわよせは介護者である家族にきます。

それは、あなたも私も皆同じです。