satoimo's diary

人生も折り返し地点を過ぎた。自分を大切にするためには...

言い訳

普段は温厚な80代後半の利用者さんのご主人。とあることがきっかけで激昂し、自宅玄関先で市役所へ電話を掛けられる場面に居合わせた。

 

ご主人は難聴もあり一方的に話をされる。電話先の女性とはタイムラグがあり、間合いが合わず、言葉が重なり、互いに相手の言葉が聞き取れない。

 

「は?何言ってるの?おかしいでしょ。失礼じゃないの?だから・・・」

 

多少チューニングがあったところで、ご主人からスマフォをパスされる。事情を説明し回答を得て、電話を切ろうとすると、ご主人がまだ話は終わっていないと言う。慌てて話しかけるも相手は切ってしまわれた。まずい。

 

ご主人は震える人差し指ですぐさまリダイアル

 

役所の担当者も多く、先ほどの女性に辿り着かない。こちらは名前を伺っていたがこの状況でご主人に名前を告げても火に油を注ぐだけと思い、じっと耐えた。やっと女性が出られ、ご主人からまだ話は終わっていないと詰め寄られる。

 

「先ほどケアマネさんに伝えましたので、ケアマネさんから説明があると思い電話を切りました」

と女性の返答にご主人は納得されるわけもなく、自分の用事を話し続ける。

 

言い訳。

 

確かに女性の言っていることは正しい。ケアマネにお願いして電話を切っただけで、私の何が悪い?しっかり対応したでしょうと言いたいのは分かる。でもそれは、女性の言い分であって、今ご主人が知りたいことではない。ご主人にとって電話を切った理由などどうでもよく、まだ対応してほしいことがあり、その話をしたいだけなのに。

 

押し問答が続き、女性の上司に代わられる。ご主人が一方的に話されても、その言葉にかぶせるように、名前を教えてください、用件は?こうしたらよいのですね?とスピーカーで話しているように玄関に響き渡る声。上司の問いがご主人の耳に入ったのか、名前や生年月日を返答され始めた。

 

言い訳は何のメリットもない。理由なんて相手には関係ない。ただ自分を正当化するだけのこと、自分を正当化できたとしても事態の好転にはつながらず、相手に不快感を与え、ただ時間が過ぎてしまうだけ。相手が何を伝えたいのか、そこにフォーカスして対応する方が、ずっと早く問題解決できるのではないか。普段自分もしているかもしれない言い訳。改めて、他人の言い訳を聞いて反省する。

 

一方。興奮して聞く耳のない相手にはあえて波長を合わせて対応するのも手かもしれない。相手の耳に入るように、一言での質問もなかなか効果があったようだから。