satoimo's diary

人生も折り返し地点を過ぎた。自分を大切にするためには...

介護保険制度と私

要支援認定になるとデイケアとデイサービスの併用ができず、回数も制約がある。

 

昨年の認定時は、骨折による退院直前の調査で要支援2→要介護1になった女性。今回の認定では要支援2の結果となった。調査や審査会のことはさておき、明らかに女性は元気になっている。目標であった歩行器を使って一人で買い物へ行けるようになり、ヘルパーによる買い物支援は休止、休み休みだが自炊も再開し、服薬管理もできている。元の生活に戻るためにデイケアでリハビリをされてきたのだから、その成果があったのだ。

 

ただ、コロナ禍を経て、女性宅を訪ねる友人もいなくなった。道路端で庭木の世話をしていても誰も通らない。かといって、一人で公民館の集まりに行こうにも階段を上るのは難しい。女性としては、送迎のあるデイケア、デイサービスを今まで通りに続けて外出や人付き合いを続けたいとの意向であり、県外の長男さんも、今まで通りのサービス利用を希望され、認定の受けなおし(区分変更申請)の運びとなった。

 

再度、認定調査に同席する。足の裏がしびれること、やっと買い物へ行っていることなど女性は現状を訴えられた。

 

結果、介護度変わらず要支援の認定となる。

 

どうしたものだろうか。女性の状態からは確かにまっとうな認定結果だと感じる。しかし、「一人で外出できない、でも誰も来ないから人と会って話がしたい。誰か迎えに来てくれて連れて行ってくれればいいのに」と訴えられる。

 

ただ、介護保険サービスの中ではかなえられない部分も多い。ケアマネとしては、介護保険制度の中で動いており、もちろん、社会資源も含んで提案はするが、限界がある。

 

「足がむくむからリンパマッサージを受けたい。訪問マッサージでアロママッサージをしているところはないの?」

 

医療保険での在宅マッサージは受けられる。だが、アロマには対応していない。医療保険では受けられないが、自費ならアロマも可能だろう。

 

そう、すべてのお困りごとに対して、介護保険医療保険だけでは解決できないことも多いのだ。自費でお支払いいただければ、要望に応えることもできる。その点にジレンマを感じている。

 

デイサービスなどについても、提案はするが、利用料を負担してもらっての利用となる。お金が発生するのだ。(ボランティアで対応できる場合もあるが)

 

ケアマネジャーは相談援助(傾聴)は、利用者様からお金をいただくことはないが(ケアプラン有料化になると話は別)提案するサービスについては、お金を払って利用していただかなくてはならない。当たり前といえば当たり前だが、その点にもジレンマを感じる。

セールスマンと同じような感覚もある。その方の応じてマッチする事業所を紹介する=自社の製品に自信がなければお勧めできない。お金を払っていただくのだから。

 

介護保険制度外の自費サービスなら、縛られずに柔軟に対応してもらえる。介護保険では最低限の支援に限られるような感覚もある。1~3割負担で利用できるのだから、やはり自費利用のようにすべての要求が満たされないのも分かる。

 

大方の利用者様やご家族は、ケアマネなんだから何とかしてよ。介護保険料払っているのだから、サービスは使えるでしょうとの認識があり、場合によっては毎月の介護保険料が高すぎる、介護保険料を払っているのに、サービス利用料まで払わないといけないのか?食事代が高すぎる。とのクレームもある。介護保険制度は分かりづらい。介護保険分とは別に、食事は自己負担などと言われても納得できない高齢の方も多い。

 

今までは、家族が介護することが前提で、そのできない部分を介護保険で支援するという感覚だったがこれからは、家族が介護に携わらずに支援できる体制、家族が就労継続できるような支援へシフトしていくとの記事も目にした。

 

介護保険サービスだけでは賄えない日々の暮らしを、ご自身だけでは判断できない方の意思決定を、どうささえてゆくか。もちろん、ご家族にも仕事は続けていただきたい。

 

自分も潰れてしまわないように、どう支援していこうか。。