ケアマネの私とオフの私の日記

書くことで気持ちの整理をしていきたい。。

走れわたし②

週末の夜

列車の車窓に映った1人の女性は

左手でつり革を持ち

隣のおじさんが立ったままウトウトと

今にも寄りかかってきそうな状態も

大して気にすることもなく

足元には大きなリュックを挟み

満員の揺れる車内でも

すっとまっすぐに立っていた

 

忘年会は苦手である

 

ネットニュースなどでも流れるように

40代以上の方が忘年会ギライ・・

♯忘年会スルー なんて

 

そんな苦手意識を払拭すべく

仕事の延長として

今回の忘年会の演出に携わった

打ち合わせから段取りと進めて

歓談をする間もなく

あっという間に

会は無事お開きとなる

 

任務完了

 

音響から照明まで協力してくださった

会場のスタッフさんにお礼を言い

最後に会場を出た

 

外にはまだ二次会へ向かおうと

道路端でたむろしている者たちがいた

その間をすり抜けて

1人家路につく

 

12月にしては暖かい夜

演出に使用したノート型PCが入った

大きなリュックが

両肩にずっしりとくる

できるだけ人のいない道を選んで

時折

ネオンでかすんだ夜空を見上げながら

駅へと歩いた

 

ふと思い出して

時刻表を確認する

 

22:10発その次は

22:46発

 

地方都市のJRは本数が少ない

かといって代替えの交通機関はバスくらいだ

 

現在22時前

現在地から駅まで徒歩で20分程だろうか

22:10発を乗り過ごしたら

36分も待つのか・・・

 

たまには1人で飲みに行っても良いかな

とも思っていたが

ついついいつもの癖で

一刻でも早く家に帰りたかった

 

駅まで全速力で走る

 

以前にも同じ状況で駅へと走っていた

何も行き急ぐこともないのに

これは性質なのかもしれない

早く 速く はやく・・

 

ずっしり重い大きなリュックを揺らして

同じように駆け抜ける者達に親近感を抱き

師走の夜の風を肌に感じながら

イルミネーションを横目に

発車前の満員電車に滑り込んだ

 

ふう

間にあった

ほんと 私 何やってんだか・・・

イヤホンからは大音量で

Don`t Stop Me  Now♬

が流れていた

 

動きが止まると

大量の汗が流れてくる

 

幸いにしてマスクをしているため

顔の汗は気づかれまい

皆一様にスマホを眺めており

誰も他人を気にする様子もない 

 

いつも

行き急いでいる自覚はある

 

何に追い立てられているわけでもないのに

早く次へ進みたい

 

それは

大切な時間に辿り着くまでの道のりであり

そこへ行きつくまでは

このスピードが緩むことはない

 

心が安らぐ

大切な人との幸せな時間に辿り着いたら

時計の針を止めて

いつまでもそのままでいたいと思う

走ることは忘れて

いつまでもその場に身を置きたいと

 

だから

そこに行きつくまでは

常に走り続けてしまうのかもしれない

落ち着いていられないのかもしれない

 

額から零れ落ちる汗が

車窓に反射して見えるのではないか

周囲に気づかれたら不審がられるかも

悟られないように普通に溶け込んでおこう

背筋を伸ばして

真っすぐに立ち

息を整えて

物思いにふけっていた

 

無理に二次会のカラオケに行くよりも

汗だくで1人電車に乗って

物思いにふける方が

私にとっては有意義な時間に思えた