朝から動きっぱなしで
座る暇もない
いや
実際には座っているのかもしれないが
その意識はない
次の行動を考え
できるだけ効率的に運ぶよう
現時点の体の動きとは別に
先に先に頭を働かせる
水分を摂ることも忘れ
時間との競争になり
ふと
体が動かなくなった
そんな時
とりあえず
何でも良い
そこらにある食べ物を
口に放り込む
すると
それは体内に吸収され
一気に血糖値が上昇し
血液に乗り身体中に運ばれてゆくのが
よく分かる
そしてまた動き出す
その一連の流れはまるで
Back to the futuer 2に登場する
デロリアンのようだ
確か未来で改良されたデロリアンは
車体の筒?にゴミか何か放り込むと
ガソリン代わりの動力になる
そしてまた走り出す
ヘトヘトになった身体に
とりあえず何か放り込むと
私もまた動き出す
人間の身体って良くできているな
なんて考えながら
一口チョコレートを口に放り込み
駅へと急いだ
職場の歓送迎会へ行くためだ
忘年会の余興に続き
歓送迎会でも数名でダンスを踊る
今回は忘年会の余興の意味合いとは異なり
あまり得意ではない職場の集まりを
少しでも楽に乗り越える為
余興担当だし行かねばならぬと
理由をつける事で
自分に鞭を打ったのだ
一緒に踊ってくれた皆には
感謝しているし
皆踊り切って満足しているようで
一安心した
任務完了
愛想笑いで
上司にお酌させていただき
宴もたけなわ
ここに長居する必要などない
特に語りたい相手もいない
一本締めの直後に
1人会場を後にした
後に残った者達は
各々に二次会に流れて行くのが
お決まりだ
今の私には
二次会に行く必要性が感じられず
付き合いが悪いと思われようが
無理に話を合わせるのも
苦痛に思えた
自分を大切にすること
何が好きで何が嫌なのか
無理をするのをやめて
躊躇なく会場を後にしたのだった
しかし
まだどこか
心にぽっかりと穴が空いたまま
家路を急いだ
そしてまた朝が来て
いつものように仕事に行くのだろう
まだどこか
心にぽっかりと穴が空いたまま だ
駅に到着し道路に出る前
電車からホームに飛び降りると
何故か走り出していた
まるで
フォレストガンプのように
何も考えずに
走り出していた
かすかに
アルコールの残存を感じながら
かすかに
道端に咲くジャスミンの香りを感じながら
少し生暖かくなってきた
夜風を切って
走った
不安を振り払うように
思考を停止するように
走った
本当は
とても寂しいし
1人では耐えられない事もある
考えても仕方がないから
本能的に走り出したのかもしれない
走って走って
身体が疲れたら
理屈抜きに
何となくスッキリするのは知っている
今の私は
デロリアンであり
フォレストガンプでもある
今できることは
考えても仕方のない事は考えずに
目の前のことを丁寧に対応する
そして
幸せな気持ちを忘れずに
ただ待つこと
誰にも迷惑などかけずに
自分の心持ち一つだから
待つことはできる
結局
自分を不安にさせているのは自分なのだ
そして
アルコールは不安を増強させるのかもしれない
時には楽しいアルコールの場合もあるが
今の私は控えた方が良さそうだ
明日もまた
デロリアンな私の一日が始まる
同じ一日なら
楽しく生きたいものだ
安心して落ち着いて過ごせる
腕の中に飛び込むことができまで
フォレストガンプな私は続いてゆくのだろう
1人では
ゆっくり落ち着いて
過ごすことができそうにないから
それもまた良しとしよう