中学生の娘は、額のニキビを隠すため、普段は前髪を下ろしている。
ある日、お手入れのためか、ピンで前髪をセンター分けにしており、数ヶ月振りに娘の額を見た際に、衝撃が走った。
ま、ニキビは想定内。
ただ、
眉が・・
眉毛が・・
左右とも半分しかなく、それは、まるで能面。
あまりの驚きにコンマ数秒たじろぐ。いや、ここで理由を尋ねたり、批評しては、思春期の彼女は傷つき、心を閉ざすに違いない。
平静を装い数日過ごした。
私も中学生の時に、濃い眉毛が嫌で剃ってみた時期があった。母から「手入れするなら、眉の上を剃るのではなく、下を抜いた方が良いのに」と言われ、今でもそうしている。
さて、彼女には何と声をかけようか。何となく見過ごすわけにはいかないという親心子知らず。
「誰かみたいな眉とか、どんな風にしようと思ったの?どうして手入れしようと思ったの?そんなに濃い眉でもないから、そのままでも大丈夫だと思うけど」
結局、つい理由を尋ねてしまう。
「別に。なんとなく」
だよね。理由なんてなくて、何となくそうしようかなと思ったのよね。
マツコもよくTVで、若い子は理由なんていらないのよって言ってたな。
もしかすると、何かしらの動機(理由)はあれど、それを意識せず、考えて探ろうとせず、簡単に表現すれば「本能的に」行動しているだけとも言えるかもしれない。
考えることの放棄。
よりスピード感が求められる時代、いちいち理由なんて考える時間が勿体ないのか。理由を探る必要性などないのか。自分の内心を掘り下げずに、表面的に数をこなしていくのか。
それも良いのかもしれない。
いわゆる私は昔人間。いちいち理由を尋ねる「うざい」大人なのかも。でも、なぜ?なぜそうしたのか?なぜそう思ったのか?どうしても気になる。
とりあえず
私も中学生の際に母に言われたことを伝え、闇雲に剃るのではなく、YouTubeなどで情報を得てからトライすることを薦めた。
おそらく、能面になってしまい傷ついているのは彼女自身。もっといえば、私としては、眉なんて大した問題ではない。彼女が元気でいてくれればそれで良いのだ。
この気持ち、伝わっていると嬉しいのだが。