satoimo's diary

人生も折り返し地点を過ぎた。自分を大切にするためには...

奥様

噂には聞いていたが

高校入試は親も気が気ではなかった

何もしてやれない

ただ信じて

平気なふりをするのが精一杯だった

 

卒業証書の番号と受験番号が同じというミラクルに遭遇し

公立高校に合格した喜びもひとしお

説明会の帰りに

駅に隣接した家電量販店で

彼は二度目のスマフォデビューとなった

 

車の残価クレジット同様

スマホも大手で最新機種を購入し

1年後には格安スマホへの乗り換え

再度大手に乗り換えてスマホの買い替えが主流なのだとか・・

 

年配の男性店員さんに担当してもらい

丸椅子に座るやいなや

 

「奥様、こちらのプランは〇〇になります」

 

「・・・」

 

お く さ ま ??

 

私はその後も「奥様」と呼ばれ続けた

彼と一緒だったのだから

むしろ

「お母様」の方が自然ではないのかと思いながら

半端ない違和感を抑えて

ただスムーズに手続きが済むことだけを考えていた

 

「私 独身ですけど!!」

 

心の中でそう叫んだ

奥様っていったい何なんだ?

 

 

数日後

スマホの設定変更の為

仕事帰りに今回は1人で

ショッピングモール内にあるスマホショップへ立ち寄った

 

20代後半の男性店員さん

テーブルに着くや否や

 

「なるほど、奥様のスマホの方ですね」

 

「・・・」

 

お く さ ま って? また?

 

おそらく

10年前なら

「お姉さん」

なんて呼ばれていたのかも

年齢的にも私は「奥様」に分類されるのか

 

何歳まで「奥様」って呼んでもらえるのだろう?

まれに介護職の方が「おばあちゃん」なんて

利用者さんに言ってしまっている場面に遭遇するが

(私はこの場面にも違和感を感じる。ちゃんとした名前がおありだし、お客様であり、彼女らはあなたのおばあちゃんではない)

私もいつかは「奥様」から「おばあ様」に出世するのか・・

 

子供の歌番組か何かで聞いたことがある

♬お店に行けば お客さん

みたいな

同じ人でも時と場合により

また相手との関係性によっても呼び名は変わる

 

お店に行けばお客さん

病院に行けば患者さん

子供といればお母さん

職場に行けばケアマネさん

他にも

娘さん、妹さん、おばさん、保護者、歩行者、運転者、職員、旅行者・・

そして

奥様

 

他人から見たら色んな私になる

でも私は私

 

もはや

呼び名なんて

もっと言うと名前なんてどうでもいいや

と思うこともある

今ここに存在するのは私でしかないから

私は私が認めているから

 

省みると

私も利用者さんのお嫁さんのことを奥様と

呼ばせていただくことも多い

家族関係を知っての上でのそのご家庭の関係性に基づいての

表現のつもりではあるが

不快に思われた方もいらっしゃるかもしれない

 

帰りの車を運転しながら

今回の場合は

「お客様」

もしくは

アンケートに名前を記載しているのだから

名前で呼んでもらった方が自然だったのではないか?

もしかすると

スマホショップでは

ある一定の年齢を超えたと思われる女性には

「奥様」と呼ぶように

なんてマニュアルがあるのかもしれない

 

別にどちらでも良いけれど

何か違和感あったな

なんて考えていた

 

そういえば

数日前に久しぶりに連絡をくださった

同じ部活の保護者の方からも

「奥さんの電話番号にかけても良いですか?」

って言われたな・・

 

ただ何となく違和感を覚える言葉の響きなだけで

フランス語であればもっと受け入れやすいのかもしれない

マドモアゼル→マダム

いや

そう大して変わりはしない

受け手の問題かも・・

 

私は潜在的に奥様になりたかったがなれずに

そんな自分を防御しようとして違和感を覚えるのかな

 

他人の目にどう映っているかなんて計り知れないが

私は私

それで良い