ケアマネの私とオフの私の日記

書くことで気持ちの整理をしていきたい。。

夢占い

「私、夢占いができるのよ。若い頃から夢で見たことが現実になったり、少し先のことが分かるのね。この間は亡くなった弟の誕生日だったんだけど、やっぱり今年も起こったわ。病院帰りのタクシーで、ふと運転手さんの身分証を見たら、弟と同じ名前だったのよ。しかも、運転手さんは来月の同じ日が誕生日だって。昨年は電気がチカチカしたりして、何か不思議な力があるみたい。若い頃には街角の占い師のおばちゃんに見込まれて、事務所に面接に来なさいと言われたけど、行かなかったわ。もし、あの時行っていれば骨折なんてしていなかったかもしれないわね。あなたも、夢を見たら、おばちゃんに教えてね。占ってあげる。ふふ。」

 

 そう言って、表紙の字もかすれ年季の入った「夢占い」の本を見せてくださった。1kのアパートに1人暮らしの彼女は、家具が多く足を伸ばして座ることもできないため、いつも台所の椅子に腰かけている。猫グッズに囲まれ、不思議な力を持つという小石を水をはったラーメン丼ぶりに数十個浸し、玄関先のタンスの上に置いている。2階の住人が電気を流してくるためテレビは置かず、携帯ラジオが唯一の情報源だ。玄関のチャイムを鳴らすと、2階の住人に所在を気づかれるため、優しくドアをノックし小さな声で声をかける。難病の為、日光を避ける必要があり、昼間でも深紅のカーテンを閉め切り消毒薬の匂いが漂う。訳あって早くに離婚され、子供さんはいない。妹さんのおさがりと言われるが、いつも可愛らしい色合いの小花や蝶をあしらった洒落た服を着ておられる。同年代の方に比べて、何だかあか抜けて見え、いつも気になっていた。

 

 彼女は、私の勤務する居宅介護支援事業所もある施設のデイサービスに通われていた。大勢いる利用者さんの中でも、言葉を交わすようになった。当時、要支援で担当は包括であったが、やがて介護保険更新により要介護になられた際に、担当ケアマネをしてほしいと、直接お電話をいただいたのだった。(簡単に言えば私が彼女を「ナンパ」したようなものだった)ありがたいことである。そこから彼女のお宅へ毎月の訪問が始まった。

 

 あくまで、彼女はお客様であり、仕事での関りではある。こちらが身の上話をすることも個人的な感情をお伝えすることもない。彼女の話を伺い、彼女が自分で問題解決できるように支援するのが私の役目だと思っている。2階の住人が電気を流すのは彼女にとっては現実なのだ。

 

「夢占い」は小学生の頃に耳にしたような気もする。彼女が言うには、「昨日は夢に像が出てきたから、良いことが起こるわ」と象徴的な何かにまつわる占いのようだが、 私の見る夢は、現実とリンクすることが多いように思う。あまり意識はしていなかったが考えてみると、歯が全部抜け落ちたり、逃げたくても速く走れなかったりなんて夢も多い。

 

 ”何かの飲み会に参加した。プールのあるような屋外だった。皆、飲酒しているのに数台の車に割り振られて帰宅することになる。私は赤い大きな乗用車にNと乗り込んだ。本当は、大好きな彼と一緒の車が良いのに、彼は男友達など数名とミニクーパーのような車に割り振られた。彼のところへ行きたいのに何故か成す術がないまま出発。真っすぐで急な坂道にさしかかったとき、数メートル先に停止している車があり、「ぶつかりますよ!」と叫んでもNは、にこにこ笑いながらブレーキを踏まずに、鈍い音とともに、その車にぶつかってしまった。”

 

ところで目が覚めた。なぜか汗をかいていて体は硬直していた。「夢か・・」彼女はどう占ってくれるだろうか?普段は、忘れてしまう夢なのだが、途中で目が覚めたり直後に思い出したりすると、その夢の感覚を引きづることもある。

 

・何かの飲み会に参加した。

その日は職場の飲み会で、私はお断りして不参加だった。

 

・プールのあるような屋外だった。

映画で同じような場面でのパーティーを観た。

 

・皆、飲酒しているのに数台の車に割り振られて帰宅することになる。

その映画でも飲酒した後、運転して帰宅した場面があった。昼間にある人が「僕は、飲み会に言った時は歩いて帰るんだよね。道に迷うともあるけど」な

んて話していた。

 

・私は赤い大きな乗用車にNと乗り込んだ。

職場の子が同じタイプの白い車を購入した。

 

・本当は、大好きな彼と一緒の車が良いのに、彼は男友達など数名とミニクーパーのような車に割り振られた。

そのある人と昼間に車の話題になり、私はミニクーパーがいいかななんて話をしていた。彼のことはいつも想っている。男友達の話も聞いて近況を案じていた。

 

・彼のところへ行きたいのに何故か成す術がないまま出発。

現実でもいつもそばにいたいと思っている。が叶わないのは当たり前だとも思っている。(理性では)

 

・真っすぐで急な坂道にさしかかったとき、数メートル先に停止している車があり、「ぶつかりますよ!」と叫んでもNは、にこにこ笑いながらブレーキを踏まずに、鈍い音とともに、その車にぶつかってしまった。

昼間、事業所訪問のため公用車を運転し、スマホのナビが示した方向に進んだら小道に入ってしまい、角を曲がる際に民家の生け垣をかすりながら進んだ。急な坂道が多い地域を周っている。Nへの信頼度が低くなってしまい距離をとっている状況。Nはにこにこしていることが多い。そのNの部下が運転が苦手である。

 

私なりの夢占いならぬ夢検証をしてみると、現実に起こったことと、その時や日頃感じていることが混在して夢に現れているようだ。彼女の言うところの「像」のような象徴的なものは見当たらない。いや、忘れてしまっているだけかもしれない。

夢の正体はいったい何なのか?脳科学的には答えがあるのかもしれないが、私には分からないし、私にとってはさほど大きな問題でもない。暖かい布団にもぐって、眠りにつくときが、ありがたく、とても幸せなのは確かである。体がリセットされて、また朝がやってくる。それもまた、ありがたく幸せなことである。