ケアマネの私とオフの私の日記

書くことで気持ちの整理をしていきたい。。

歯間ブラシ

虫歯になってから行くものが、歯医者の常だと思っていた。

 

数年前、キャラメルを食べて(噛んで)いた時、奥歯の銀歯が外れた。その緊急事態に、通勤途中の歯医者に寄ったことがきっかけで、数か月おきにメンテナンスに通うこととなった。

 

まだ若い歯科医の先生。クリニックは一人で切り盛りし、若い衛生士さんたちに細かな指示を飛ばしながら、4つの診察台の患者に対応する。数か月おきの来院の為、季節の移ろいと共に、衛生士さんたちも入れ替わっていった。先生のアグレッシブさは半端なく、いかに早く、患者を待たせないことが美徳なのだ!といった雰囲気が伝わってきて、若い衛生士さんたちへの言葉も厳しいものだった。時には、こちらの胸が痛くなり、歯医者を変わろうかと何度も思ったが、便利の良い場所にあり、先生の一生懸命さも嫌いではなく、今でもお世話になっている。

 

そんな中、生き残った少数精鋭の衛生士さんに、口腔内の状況を尋ねられる。

 

「実は・・昼間にフロスをかけたら糸が切れてしまって、奥歯に挟まったままなんです。恥ずかしながら、何度もフロスを通すうちにフロスで左の口角が切れてしまって・・痛いんです。すみません」

左の口角に1センチほどの傷があることを、恥ずかしながら自己申告した。

 

その後、衛生士さんも何度もフロスで上から下からトライしてくださるが、それはびくともしない。下の奥歯に対してフロスは上からでなく、歯と歯の隙間にピンセットで

通し、歯茎側の下から上へ引っ張る方法を試される。色んな方法があることに感心していると

 

「先生に、みてもらいましょうね」

と衛生士さん。

 

「いや、先生は力がお強いので怖いんです。もうこの口角が切れたところが痛くて痛くて・・。衛生士さん、なんとかお願いします」

と泣きつく私。

 

「そうですよね、痛そうですね」

カカオバターというものを塗布してくださる。てっきり、べったり軟膏を塗布されると思っていただけに、そのチョコレートのような甘い香りに癒される。

 

「わぁ、いい香りですね」

一瞬痛さを忘れるが、やはり先生の力を借りることとなった。幸い、良い香りのカカオバターに気をとられ、口角の痛みを忘れフロスもとっていただいた。

 

「ここね、歯間ブラシが良いよ。ほら、これ試供品1本あげるから、試してみて。また3か月後ね!オッケー」

と先生。

 

夕食後、さっそくいただいた歯間ブラシを使ってみた。ギザギザのゴム仕様になっており、前歯には通らないが、奥歯は歯肉付近まで、キュッキュッと音がするほど、すっきり爽快な使い心地。これは気持ちが良い。奥歯がすっきりしたら、前歯もしてあげたくなり、糸ようじを通す。

 

「気持ちよい」

 

歯磨きってこんなに気持ち良いんだ。歯磨きというより、口腔ケアというのだろうか。

 

歯医者なんて虫歯がないと行かないという固定観念を見直してよかった。今の時代、予防歯科よね。毎日のケアが必須だわ。なんてルンルンで毎日の歯磨きタイムを満喫している。

 

おそらく

世の中には、まだ私の知り得ないことが山ほどある。歯間ブラシにカカオバター、こんな身近にあるのに知らなかったその有用性と、その良い香り。

 

もっといろんなことを知りたい。いろんな楽しみを見つけたい。そのためには、新しいものを受け入れられるよう、心に余裕をもって、一度、自分の固定観念を疑うこととしよう。