心疾患で入退院を繰り返す女性について。看護師からケアマネへ転向した上司は、デイサービス利用時に不整脈の確認までしてほしいという。さすが、看護師。確かに毎月の記録にある脈拍の数字では分からない不整脈。私も看護師になれば良かったなんて考えながら、バイタル測定の話題になる。
最近は、介護職でも血圧や脈拍など簡易的な機器で測定できる。以前は水銀の血圧計や体温計、脈は触れて測定していた。その手の(昔の)話題になると彼女は自慢げに多くを語ってくださる。「私が〇〇にいた時には、水銀で・・・もう大変だったの・・」
さておき
Spo2について。経皮的動脈血酸素飽和度。指にクリップを挟むと瞬時に測定可能。いったい、いつからこんな便利なものができたのだろう?今は当然のように利用されている。
「昔は動脈からこうやって、血液を採取して測定していたのよ、私が〇〇にいたころにはさぁ・・」
さておき
医学の進歩だけでなく、世の中の色々な物は使いやすく、より性能も良いものが開発されている。それは食の世界でも同様。スチームコンベクションなんて今は当たり前だが、私が学生の頃は出回っていなかった。真空調理にクックチルなど科学的調理なんて今やスタンダード。新しい機器類を使いこなすために、栄養士時代には、料理長とセミナーにも参加したりした。流行り物が好きな料理長で助かった。
停電によりパソコンが使えなくなると、事務機能が停止したという。
世の中は使いやすい便利なものが登場し、デジタル化は加速していくが、そんなリスクもある。
物事の仕組みの根本を理解していないと、応用が利かないとでもいうのだろうか。パソコンのシステム上だけで仕事を覚えていると、いざパソコンが使えなくなったときに請求の仕組み自体がわからなければ、電卓を使ってアナログに請求書を作成できない。
停電でスチームコンベクションが使えなければ、ガスで代用すればいい。温度設定や時間も基礎が分かっていれば調理器具に応じて調整すればよい。別に必ず砂糖を使わなければならないわけでもない、同じ甘味料なら味醂だって、はちみつだってありだ。
物事が便利になっていくスピードが速く、追いつくのにもやっとだが、やはり何事もなぜそうなっているのかの理解は必要だと思う。そこを理解した上で、どんどん便利なものは取り入れていきたい。そして、不測の事態にも瞬時に対応できるアナログ感も失いたくはない。
「私が学生の頃はこうやって、薬を紙にのせて、こんなふうに包んでたのよ。もう大変だったのよ。今は習わないんじゃないかな。それでさぁ・・・」
「私が〇〇で主任をしていたときにはねぇ、・・・」
「うちのちび(孫)がさ・・」
「私なんか、〇〇でね・・・」
「私は、お年寄りが好きな人にこの仕事はしてほしい。だって・・・」
もちろん、彼女は自分の知識を惜しげもなく伝授してくださり、特に医療面などとても勉強になりありがたいと思っている。その反面、一つ質問すると数倍になって自分の話を返してくださる。彼女の承認欲求も傷つけないように、いつしか私はムーディー勝山化していったのである。
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