satoimo's diary

人生も折り返し地点を過ぎた。自分を大切にするためには...

老後の理不尽

老後に備えて子育てをしながら、一生懸命働き、年金も税金も納め、節約して貯蓄に回してきた。

 

なのに。

 

なんて理不尽なのだろう。

 

貯蓄があるから、介護保険施設入所時の食費や居住費の軽減が受けられない。

 

課税世帯に分類され、自治体の配食サービスは、非課税世帯の2倍の料金になる。同じお弁当の配食なのに。その他にも諸々。

 

なんて理不尽なのだろう。

 

生活保護世帯の方は、介護サービス料金は介護扶助で賄われ、非課税世帯のためお弁当も低額。医療費も医療扶助があり、毎月の通院費や薬代をやりくりする必要はない。生活保護世帯枠のある有料老人ホームも増えている。サービスの組み合わせ次第では、訪問診療や訪問看護、訪問薬局に、訪問歯科まで、介護度によっては、訪問理美容や寝具洗濯まで実質無料で受けられる。しかも、定期的に福祉事務所や、担当ケアマネの訪問もあり安否確認も受けられる。フルで利用されている方もいる。

 

もちろん、様々な事情で否応なく生活保護世帯となられた方が大半だとは思う。また違う意味でのご苦労があるのも承知している。

 

国の仕組みがそうなのだから、仕方がない。

 

けど。

 

じきに100歳。

認知症はなく、圧迫骨折で動けなくなり、一人暮らしが困難となるも、特養入所は100人待ちのため、ショートステイでつないでいる女性は、こう呟やく。

 

何のために、遊びもしないで一生懸命働いてきたのかしら。老後のためにと思っていたのに、結局、今でもたくさん支払わなければならない。長生きなんてしたくなかった。こんなはずじゃなかったのに。これ以上、息子にも迷惑はかけたくないけど、もう1人で何もすることもできない。

 

死への恐怖を和らげるために、認知症になるという話を聞いたこともある。

 

認知症はなく、しっかりと現状を把握されている女性へ返答する言葉が見つからず、ただ同じ方向を向いて頷くことしか出来なかった。