satoimo's diary

人生も折り返し地点を過ぎた。自分を大切にするためには...

金銭管理

老後2千万円問題。お金の問題は切実だ。

 

在宅高齢者の介護サービスを調整することが居宅ケアマネの主な業務だと思っており、今まではご家族の協力もあり、そこまで深入りせずとも支援は成り立ってきたが、ここ最近は状況が変わってきている。

 

一人暮らしの認知症の方、障害の子と高齢で要介護認定を受けた親、8050問題、身寄りのない方、夫婦二人暮らしでも年金額が少ない、または無年金の方など、一括りにはでいない様々な人と各々の暮らしがある。

 

在宅生活の限界点も様々。個々の要因により異なり、在宅看取りを選択される場合もあるが、大抵の場合は、施設入所へ向かうことが多い。

在宅でも、施設入所でもお金が必要だ。

 

在宅生活を選択された方が、毎月にかかる料金は安価となる。施設に入所となると、収入により減額のある特養やケアハウスもあるが、それでも居室料や食費、介護サービス利用料は発生する。また、在宅・施設サービスともに介護保険のサービス料金体系は、加算項目も多く、また収入による減額はありがたいが審査が必要であり、ぱっと利用料金を算出することが難しい。収入により異なるし、事業所の加算により異なるし、利用回数によりパーセンテージで算出する加算料金が変動するため、きっちりといくらですと提示できない。サービス事業所も同様、大体これくらいですよの説明に留まる。やっかいな仕組みになっていると思っている。

 

スマホの料金体系も似たようなものを感じる。ショップに行ってタブレットに入力すれば、パパっと利用料金は分かるが、割引やらなんやらで分かりにくい。

生命保険などは、スマホで見積もりができて分かりやすい。

賃貸契約をする際の初期費用は、見積もりと異なる金額になることもある、あくまで見積もりということか。

 

金銭的虐待があると包括から申し送られたケースのご家族から、介護サービスの明細が分かりにくいので、サービス事業所ごとにまとめて提示してほしい、施設入所に際しての料金、雑費や生活費も含めてひと月に支払う料金を提示してほしい。本人にかかるお金を把握し、まとめて提示するのがケアマネの役目だろう。それは施設に尋ねろと言われても、一本化してもらわなければ家族は困る。ひと月にいくら母の口座に入れればよいか目途を立てたい。と要望があった。

 

ごもっともである。

 

介護サービスの料金は分かりにくい。が、収入や医療費の明細を施設に提出いただかなくては施設利用料も分からない。とりあえず、3パターンで計算し、介護サービス、施設料金、かかるであろう生活費を算出し資料を作成した。正直、しんどい作業である。ひと月にいくら電気代がかかるかなど正確な数値は出せない。各事業所から説明があるのだから、家族で計算してほしいとの思いもある。確かに、私が家族であれば、そこまでしてもらえれば、あとはお金を工面するだけだから見通しが立てやすいのでありがたいとも思う。今後は、家族の金銭管理まで支援させていただく機会が増えてゆくのだろうと思う。お金がなければサービス利用も施設入所もできないのだから。お金の問題に立ち入るのは憚られるが、月の収入がいくらなのか、支払いを差し引いて、毎月いくらまでなら介護サービスに充てられるのか、まださらっと聞き取りやすい最初の面談時に確認が必要だろう。ケアマネジメント料は本人負担はないが、介護サービス利用料は無料ではない。我々は相談には乗れるが、無料でサービスを提供はできない。ボランティアではない。

 

認知症で金銭管理が困難となる方も多い。多額の資産や複数の保険を持っていても把握できない。何千万も貯蓄のある通帳を見せてくださるが、正直、どの保険からいくら入金があるのか通帳だけでは分からない。保険証書もない状況では確認のしようもない。というか、ケアマネはそこまで立ち入ってよいのか?まさに成年後見制度の対象と思われるが、毎月の制度利用料に納得されず利用に結び付かない。

 

ここ最近は、お金の計算が主な業務になっている。必要なことだろうが、専門家でもなく、通常業務をしながらでもあり、しんどくもあり、責任も感じる。どうにかしなければ。