ケアマネの私とオフの私の日記

書くことで気持ちの整理をしていきたい。。

続・虐待か・・・

母親への虐待が疑われた長男は、施設入所を主治医が手配した翌日、母親の体調が悪いと救急車を呼び、他病院への入院となった。

 

いったん振出しに戻る。

 

数日後、市の職員と長男の状況確認へ自宅へ訪問した。

長男の体調を気遣いつつ、暴力行為や施設入所の話題になると、みるみる長男の顔が険しくなるのが分かる。話はまとまらぬまま、母親は入院のため緊急性はないと市の判断もありしばらくは落ち着いていた。

その間にも、入院先の相談員や医師との情報共有、市との協議などを繰り返す。入院先は急性期なため、退院または転院が必要であり、今回は、長男の体調が悪く自宅介護は困難との意向にて、リハビリ目的にて転院となる。

 

問題は解決されず塩漬け状態のまま。

 

転院先では、認知症状の悪化か、大声で叫ぶことが増え、患者さんから苦情も出ており、認知症病棟への転院になりそうな状況。そのまま、転院されれば、おそらく長期滞在が可能、長男による虐待が繰り返されずに済む。

 

関係者一同、安堵したのもつかの間だった。

 

長男より「やはり自分に悔いが残らないように家でみたい、退院させます。私が倒れるまでは一緒に暮らしたい」

 

いったい、何度振出しに戻るのだろうか。

 

退院までに在宅での介護サービスを調整し、長男への本人の状態の理解に加え、介護負担軽減による虐待再発防止、緊急時の対応整備を行う必要がある。市からは、長男に自覚を促すためにも、虐待行為やそれを発見した際には市に通告する義務があることをケアマネからはっきりと伝えるようにとの助言を受けた。本来なら、在宅の介護サービス関係者を交えての病院での話し合いが必要なところだが、コロナのため、長男と病院の相談員、ケアマネの三者面談状態で急遽話し合いの場を設けた。

 

長男が母親を見たい気持ちはわかるし、それを制御する権利は誰にもない。ただ、長男による不適切な介護により、母親が不利益を被る際には公が介入する必要がある。

 

2時間にわたる話し合いで、長男の母親を自宅で見たいという気持ちは十分にわかるのだが、その先の手立ての話になると現実味がない。その手立てを提案するが、受け入れられない。

病院側より、「1時間おきの排せつの訴えがあり、その都度の対応ができなければ施設を検討された方がよいと思いますよ。ヘルパーさんが来た時に排泄のタイミングは合わないでしょうし」の言葉に、長男は「だから、おむつにしろというんですよ。な、母ちゃん、おむつにしなさい。私もそんな移乗は大変なんだから」本人はその場では頷かれるが、理解はむずかしく生理的欲求をコントロールできまい。

以前も、排せつの訴えが多く、ポータブルトイレへの移乗が負担となった長男が、母親を半裸でポータブルトイレに座らせたまま食事をさせられていたこともあり、その行為は虐待にもあたり、通報義務があることを伝えた。

 

その時点から、長男の顔が曇りソワソワされるのが分かった。その後も、主治医を変える、サービスも変えたい、いや、ケアマネさんのそのプランで良いなど二転三転。退院まで時間がなく、以前了承をもらったプランで調整しており、今からの変更は間に合わないことを説明し、何度も内容の確認をして納得された。と思っていた。

 

翌日、長男より主治医を変えたい、サービスも全部新しい主治医の法人のところに変えたいとの話があった。ケアマネ変更についても、ずいぶん早い段階から提案していたが、昨日の虐待の真相に迫ったことで、長男は私を敵と認識されたのだと思う。

 

数か月、何度もサービス調整し、市や事業所、病院とも協議してきたが、結果、主治医もサービス事業所もケアマネも変更となった。引継ぎ先のケアマネも調整は間に合わず、こちらのプランを使いたいとのことで、プランも、事業所もすべて引き継いだ。市の担当の方は、引き続き支援くださることとなる。

 

長男の母親に対する虐待

 

他者に見つからなければ、親子二人の時間を過ごせたのかもしれない。母親は息子がかわいいから、暴力を受けているとは言い難い部分もあるかもしれない。余計なことをしてしまったのだろうか。本人たちが良ければ、それは虐待とは言わないのだろうか。介護サービスを上手く使って、長男の負担を減らすことで、母親に手を上げずに仲良く自宅での暮らしを続けられるよう願っている。一度、敵とみなされるとケアマネ変更をされるケースを何度か経験した。私では力不足であり、無責任かも知れないが、引継ぎ先のケアマネさんに託したい。