ケアマネの私とオフの私の日記

書くことで気持ちの整理をしていきたい。。

壊れかけのケアマネジャー

保証人がいないから、賃貸契約ができない。

保証人がいないから、入院・手術ができない。(これは緩和されつつあるかも)

就職するとき、施設に入所するとき、学校に進学するとき、奨学金を借りるとき、住宅ローンを組むとき、保証人、もしくは連帯保証人が必要となることが多い。

 

思い出したくもない黒歴史、20代の頃、ある人物に迫られ消費者金融でカードローンを組んだ際には、保証人は要らなかったが、法外な利息を払うこととなった。

 

保証人が必要なのはお金を借りる時だけではない。

 

大抵の日本人は、親から保証人にだけはなるなと言われて育つことが多いと聞く。実印を押すのには覚悟が必要。

 

人生の大切な節目で必要になる保証人。

 

賃貸住宅入居については、安心保証など契約が必須な代わりに保証人不要というが、未成年者の場合には保証人を求められる。一昔前には、保証人に加えて土地や資産を担保にしていたという話も聞く。

 

身寄りのない人は確実に増えている。高齢になると尚更だ。

 

私が関わらせていただいている、要介護認定を受け在宅生活を送られている高齢の方々も、子供がいない、親戚づきあいがない方が確実に増えている。

 

まだ、ご自身で判断能力があるうちは、お金を払えば民間の身元保証会社と契約できる。しかし、毎月の料金に躊躇する方も多く、いつかそうなったときに考えますと、先延ばしにされ、いざそうなったときには、契約できる判断能力が危うくなってしまうことも多い。成年後見制度も浸透しつつあるが、申し立てに時間を要し、もちろん無料ではない。声を大にして言いたい。いつやるの?今でしょう?

 

身寄りのない方が、将来を考えた時、病気になり治療方針を決めなければならないとき、一緒に考えてくれる家族や知人がいない状況は、どんなに心細いだろう。そんな時に寄り添ってくれるNPO法人の取り組みも始まってはいる。でもそれは、認知症が進んで自分で意思決定ができない状況では難しいかもしれない。

 

ワークライフバランス。介護離職をせずに働き続ける社会を実現するために、従来の介護は家族が担うものという考えは覆され、家族がどこまで支援できるか、できない部分は介護保険で担いましょう、もちろん本人の意向を中心にという方向へ進んでいる。

 

実現へ向けたその移行期間であろう今。在宅のケアマネジャーは苦渋している方も多いと思う。

 

お一人暮らしの方の場合は特に、各関係機関からケアマネに連絡いただいて、対応を迫られることが多い。ケアマネによっては、入院時の保証人とならざるを得なかったり、病院側から求められ家族の代わりに病状説明を受けたり、市区町村のサービス利用時の緊急連絡先を迫られたり。家族は忙しいからご利用者様から話を聴いてほしいと電話で1時間以上伺ったり、家族の代わりに役所に申請に行ってほしいと言われたり。就労中のご家族は連絡がつかず、ご利用者様が困っていても方向性の確認すらできないこともある。ケアマネは家族ではない。家族ではないから、勝手に判断し行動することもできないし、責任を取ることもできない。

 

保証人が必要な施設や病院、行政と、何でもしてくれるんでしょうとお思いの(一部の)ご家族と、目の前の利用者様に挟まれて、ケアマネとしての立ち位置を見失いそうになることもある。

 

入り込めば入り込むほど苦しくなる。

 

職業人として、一線を引き、感情に惑わされることなく、利用者様が自分で進むべき道へ進めるようにお手伝いできればとは思っているが、ケアマネ不足で担当件数が増え続けており、ケアマネ自体疲弊し、壊れてしまいそうになる。

 

今、この時代を共に生きている皆全員がWIN-WINになればよいのだけれど。平等であって平等でない、平等になどできるわけがないのは分かっている。でも、もう少しだけケアマネにやさしい社会であってもいいのではないか。