ケアマネの私とオフの私の日記

書くことで気持ちの整理をしていきたい。。

退院支援

見えないから、わからないから不安になる。

 

早く退院させたい。でもGWに具合が悪くなったらどうしよう。介助すれば食事は食べるはず。経管栄養はしたくない。寝たきりになっても私がおむつ交換くらいできる。けれど、一人で全部担うのは不安。このままだと、認知症が進んでしまう。

 

毎日、いや多い日は一日に数時間おきのお電話。

入院中は、病院主体であり、ただ娘さんのお母様への思いを聞き、必要なら病院の相談員さんへ伝える。娘さんの思いは強く、それがゆえに、面会がかなわずお母様の状況が分からないために状態を想像し、架空のお母様を作り上げ、妄想的に心配だけが膨らんでいく。方々に電話をかけ、色んな話や各々の助言を聞き、ますます心配だけが膨らんでいく。その心配を払拭しようと、手掛かりを求めて、また方々に電話をする。数時間前には、退院させたいと言われていても、次の電話では、やはり病院でしっかりリハビリをさせたいとなる。

 

分かります。不安な気持ち。

 

ただ、想像して心配しても取り越し苦労で、まずは、お母様の今の状況を確認し、どのような状況なら在宅生活が可能なのか、どこまで回復の伸びしろがあるのか、ご家族の介護力と、どの部分は介護サービスで支援可能なのか。そのあたりの調整をカンファレンスという形で、病院、家族、在宅スタッフで検討させていただきたい。

 

入院先の相談員さんも、娘さんの意向が定まらず、息子さんとの意向の相違もあり、ほぼ毎日の電話に困惑されていたようだった。ご家族向けのICの日程を退院前カンファレンスと抱き合わせてもらい設定いただく。そのICの日までの約2週間は、娘さんの電話対応で、正直、他の仕事が遅延してしまうほどだった。退院後の生活がイメージできるよう、訪問看護や訪問リハビリなど具体的に週間サービス計画表を提示しても、その時は安堵されるが、また娘さんの不安は膨らんでいき、使いたい介護サービスも二転三転していった。

 

結局、IC開催日から4日後のGW前に退院日が決定。その短期間に二転三転したサービスを固め、ケアプランを作成する。

 

退院前に車いすなど搬入いただき、退院当日、訪問診療の診察と担当者会議を開催。お母様は、想像の何十倍もお元気で、階段昇降も危ぶまれていたが付き添いで3階まで上がり、排泄の感覚がなくおむつ対応と言われていたが、誘導でトイレ利用できリハビリパンツでOK。食事も娘さんが食べやすく刻まれ、ほぼ全量摂取されたとのことだった。

 

IC開催日に在宅スタッフから、リハビリパンツで大丈夫と言われ、娘さんの不安は払拭されたと伺った。我々も、お母様の状況が分からない中では支援のしようもなく、やはり段階を踏むことは必要。結果、自宅に戻られて、思いのほか元気なお母様を見て一同胸をなでおろしたが、超高齢であり今後も何があるかはわからない。ただ、訪問看護師さんも言われていたように、「家」のパワーはすごい。病院は医療体制は整ってはいるが、やはり「家」という自分の生活空間、雰囲気で過ごすほうがモチベーションはアップするのだろう。

 

無事に退院されてよかった。

 

と同時に、喜ばれる娘さんを見て、いつかみな平等に訪れる最期を、お母様の最期を受け入れることができるだろうかと不安にもなった。一緒に快くお母様を送り出すことができるよう、皆さまの力を借りながら娘さんへ寄り添ってゆきたい。