satoimo's diary

人生も折り返し地点を過ぎた。自分を大切にするためには...

1人遠行

女子高時代、学校から山間の公園までバスで運ばれ、そこから歩いて学校を目指すという年に一度の行事があった。

 

遠行。

 

半日かけてお喋りなんてしながら、歩くものだった。翌日は足がパンパン。

 

コロナ禍での自粛生活の反動か、どうしても長距離を歩きたくなった。いや、アラフォーになっても、あの頃のように長距離を歩けるのか、試してみたいだけかもしれない。とにかく、歩いてみたい。

 

梅雨の晴れ間に作戦決行した。

 

自宅から12km離れた市街地のパン屋さんを目的地にした。純粋にどこまで歩けるかでも良いのだが、目的がないと動けないやさぐれた大人になってしまった。

 

普段車で通る国道沿いは、騒音が酷く空気も良くない。一本奥に入った道路を進むと、また違った景色が広がっていた。

 

時には、犬に吠えられたり、素敵な家をジロジロ眺めていると不審がられたり。

 

一体、私、いい歳して、何やってんだか。。

 

誰にも言わずに作戦決行したものだから、自分でもおかしくなる。いや、面白くなる。

 

何でもやってみたいことは、やる。誰にも咎められはしないし、本人の自由でしょう。そこに意味があっても、なくても構わない。自分のことだから。

 

ナビでは徒歩2時間30分のところを、日傘で紫外線対策をしながら3時間かけて歩いた。

 

流石に帰りは歩く体力が残っておらず、電車に乗った。

 

不思議なことに、私の近くには乗客が座らない。

 

ん?

 

それもそのはず、紫外線とコロナ対策で、目元から首下、首の後ろまでをぐるっと覆った日焼け防止マスクに広いツバの帽子を目深にかぶり、大きなリュックを背負った出立ちでは怪しかったに違いない。

 

翌日、色んなところに痛みがあった。あの頃の遠行とは、また一味違ったものだった。

 

何の意味もないが、やってみて満足した。

次は、何をしてみようかワクワクする。