ケアマネの私とオフの私の日記

書くことで気持ちの整理をしていきたい。。

波長

2枚に重ねた上の部分の黒いボーダー柄の紙をスライドさせると

下の紙に描かれた動物などが走っている

そのような動画に見える錯視を思い出した

 

紙を左右にスライドさせるだけなのに

動画に見えて不思議だった

 

少女漫画の付録などによく付いていた

少し凹凸のあるカラーのカード

右や左と少し見る角度を変えると

そこに描かれた女の子がウインクしたように見える

見る角度で違う絵に見えるものもあった気がする

 

そこには同じものが

あるはずなのに

見る角度やタイミングで

全く違うものに見えたり

見えているものが見えなくなったりする

錯視といえる

 

・・・

 

あまり接点を持たないほうが良さそうだ

 

本能的にそう感じる相手がいた

特に何と理由があるわけではないが

(いや厳密にいうと

 何度も接する中で違和感を感じることもあったのだが)

ただの思い過ごしだと気に留めることはせず

自然と距離を置いていた

 

しかし

ここ最近

どうしても関わる機会があり

ちらほらと言葉を交わすようになった

 

ただの思い過ごしが確信に変わる

 

彼女の波長と私の波長は違い過ぎて

どうしたって交わることができないのだ

相手のことを推し量ったつもりで接しても

何一つ跳ね返ってこないどころか

全く違う方向へ進んでいく

 

もう少し理解してもらえるようにと

ゆっくりと目を見て語りかけても

暖簾に腕押しとはまさにこのこと

何も響かないどころか

目的がずれてしまい見当違いの返答がくる

 

人間だもの

100人100通りの考え方があることは知っている

にしても

ここまで意思疎通が図れないとは・・

 

確かに私の伝え方にも問題があるのだろう

何度か言葉を変えタイミングを見計らってみるも

彼女の意図すら分からない

何をもって大丈夫と言っているのか

お願いするこちらからは

ただただ不安でしかなかった

 

言葉では上手く表現できないが

彼女と私は決して分かり合うことはできない

そう思った

 

もちろん彼女も違和感を察知しているだろうし

(察知していてほしい)

彼女の方こそ私を理解できないだろう

私も彼女のことが分からないことが恐怖に変わり

やがて怒りへと変換されそうだった

 

あのボーダー柄の動画に見える錯視のように

何かがずれているから

彼女と私は分かり合えないのかもしれない

 

同じ紙同士でも

タイミングが合わないとただの真っ黒な紙になる

運よくタイミングが合えば動画に見えるのだろうが

 

見る角度を変えると

同じものが見えるのかもしれないが

今は違う角度で違うものに見えているのだろう

 

同じように生まれて

同じように時間を生きていても

分かり合うことができないのは悲しいが

仕方がないこと

 

もしかすると生きているスピードが違って

お互いが見えないのかもしれない

その感覚がなんだかあの錯視を思い出させていた

 

同じ世界に生きていても

像と蟻んこは見る世界は違うように

マトリックスで銃弾が見えるようにゆっくりな世界があったり

早すぎて止まって見えたり

ハリーポッターのホームとホームの間の柱に

また別の世界へつながるホームがあるように

見える人と見えない人、見ようとしない人

感じる人と感じない人、感じようとしない人

色んな人がいるのは確かだ

 

できるだけ彼女に不快感を抱かせないように

関わるのは必要最低限に留め

その姿を見ないようにした

その方が彼女のためでもあるし

私のためでもある

 

彼女が悪いわけでも

私が悪いわけでもない

ただ何かが合わないだけの話

 

各々違う時空で過ごしていけばよい

 

たまに

何かの事故のようにこのような遭遇をしてしまうが

きっとそれはただの間違いで

無理に接点を持つ必要はなく

その方がお互い幸せなのかもしれない

 

 

 

 

不思議なことに

ここ1年程支援させていただいていた

他県でも有名なクレーマーの方から

ケアマネを交代したいとの話をいただいた

 

当初はその方からの毎日2時間のお電話を傾聴し

言われるがままに支援していたが

とあるきっかけがあり

冗談のように訪問の日程が合わなくなっていった

まるでこちらの勤務表をご存じかのように

提案する日程が全て合わないのだ

 

ボーダー柄のタイミングが合わないように

何かが合わなくなっていき

先方からの交代の申し出に

何か不思議な力を感じずにはいられなかった


無理に互いを理解しようとしても
ただ苦痛なだけで
流れに身を任せていれば良いのかも

そう思わずにはいられなかった


言葉は交わさずとも意思疎通ができ
面白いように事が進んでいく場合もある

 

その何だか分からない波長のようなものが合う人も
確かに存在して
そんな者同士が一緒にいると
居心地が良いのかもしれない