ケアマネの私とオフの私の日記

書くことで気持ちの整理をしていきたい。。

美容院

前髪を切りすぎた際に駆け込んだ美容院

その店の斜め前にある昭和レトロなパン屋さんで

昔ながらのコッペパンとフランスパンを買い

紙の包装紙に包んでもらった

駐車場がないそのパン屋さんのことがずっと気になっており

その日は美容院の予約をしていたため

堂々と美容院の駐車場に停めて買いに走ったのだった

そのパン屋さんのパンを買うのもお目当ての一つであった

 

スタイリングチェアは1台のため

貸し切り状態

2人のお子さんのいる男性美容師さん37歳

よく本を読まれる方で頭の回転も速く話が合う

というより色んな持論を聞くのも楽しいものだ

 

美容師業を17年続けて自分の店も持たれたが

何かこのままで終わるのは・・・

という焦燥感を感じるとか

接客は好きだが服屋では合わないと思うとのこと

美容院で働いていると

永く通ってくださる方は

人生の節目節目に美容院を訪れる

その方の人生の大事な場面に関わらせてもらったようで嬉しい

服屋ではそんなことは感じないと思うとのこと

 

たしかに

美容院はパーマなどともなると4時間滞在することもある

その間に色んな話をするのだろう

人生の節目にリセットしたいときに感情が動いたときに

美容院へ行こうと思い立つ

必然的に人生の転機や節目に立ち会うことになる

その仕事にはその仕事ならではのものがあるものだ

素敵な仕事だと思う

 

他者との付き合い方の話から

 

「とにかく自分が悪かったと思えば良いと思うんですよね。相手のせいにしていても、相手は変わらないだろうし、自分に原因があるとすれば、解決策も見つけやすいですからね」

 

「県外なんですけど、奥さんの父親がなくなって、その葬儀に、義姉さんの婚約者が来なかったって、義母たちが非難していて。僕にも、「どう思う?」って聞かれたんですよ。僕は、「こちら側も、彼が来づらいような雰囲気を出していたから来れなかったのかもしれないですよね」って言いました。もちろん、もう少し柔らかい言い方をしましたが、意見を聞かれたから話しただけで、聞かれもしなければ言うことでもなかったんですが、彼だけを責めるのも違うと思いますしね」

 

「最初に就職した大手の美容院で、新人はヘアケア商品を年に2万円以上販売するってノルマがあったんです。僕なんて、未だに店に並べている商品は勧めたくなくて。もし聞かれたら、それは詳しく説明しますがね。

新人が集められて、ノルマを達成できなかったら責められるんですよ。僕も何年目かになった時でしたが、例のごとく後輩を集めてノルマの話し合いになったんです。僕にも「どう思うか?」と聞かれたので、「僕は後輩が商品を売れないのは指導している僕らの責任だと思います。達成できなかったのは、先輩であるこちらが責任を取るべきではないかと思う」と言ったら、大変なことでしたね。意見を聞かれたから言っただけなんですけどね。後輩には優しくしたいけど、ノルマ達成できなかった僕が全員分の商品を買うのは違うと思うし。必ず商品を買ってくださるお客様に勧めるようにさせましたね、必ず買ってくださるから自信がつくでしょう」

 

美容師である彼の生き方と

私の身の回りの接点なんてないように思えるが

このような世間話の端々に

今の私に必要な助言が隠されているようで

はっとさせられることも多い

 

どこか他人や世間のせいにして

もどかしさばかり感じて

その場で足踏みすることがある

確かに

自分に原因があると捉えると

改善策も見つかり自分なら変えることができる

 

あの人はああだからと

こちらの物差しでだけで測ってしまいがちだが

物事はいろんな角度から見ることを忘れてはならない

自分勝手な常識に囚われてはいけないし

それを相手に押し付けてはならないはず

 

髪も軽くなり

心までリフレッシュして店を出た

帰路に就く車中で紙の包装紙を丁寧に開け

大きなコッペパンを頬張る

生地は密でぎっしりしており

まるで米粉パンのようだ

どこか懐かしい素朴な小麦本来の風味を味わい

また一つ幸せな気持ちになった