ケアマネの私とオフの私の日記

書くことで気持ちの整理をしていきたい。。

成年後見制度

成年後見制度についての研修会に参加した

この類の研修会は何度か参加しているが

ただ漠然とした制度概要の説明に留まり

その利用方法や費用、内容などは

実際に関わってみないと未知数なところも多いと感じる

 

とかく

私のような他分野からのケアマネジャーには

ハードルが高い

 

今回の事例検討でも

認知症の為、意思決定がままならず

周囲の者に搾取され

親類からの支援も困難なケースが上がった

研修の事例であり行きつくところは成年後見制度利用となるが

実際に抱えているケースと重なるところも多い

 

1人暮らしで身寄りもない認知症の進行も感じられるケース

超難聴(聞こえていると感じるときもある)で妄想的発言も多々

認知症でも金銭管理はできている

というより

支払いが必要な利用料を「分からない」「今はない」「おどすのか?」

と未納が続く

明らかにしらを切っているように感じるが

そんなこと専門職として言葉にするわけにもいかない

 

その根拠を言葉では説明できないが

やり取りの中で感じるのだ

認知症だけではない確かに理解し意図的にそれを演じている

 

事例検討では司法書士の方もグループワークに参加

どのように支援していくのか?について

1人の年配の司法書士の男性の答えは実にスマートで明確だった

 

問題を〇〇については〇〇が担当と分野ごとに仕分けされ

感情的ではなくきちんと整理して解釈される

キーパーソンは1人という固定観念に囚われず

課題の本質をとらえ予後予測まで行う

 

こんな身近にも頭の良い方はいるものだ

 

一見支援困難として敬遠するケースも

その方にかかると何も難しいことはないだろう

 

自分を省みる

固定観念や感情が先になり

問題の本質へ辿り着けない

 

こちらの感情を抜きにして

少し離れて眺めてみると

案外と何が必要でどうするべきかが

見つけやすくなる気がした

その渦中にいては気づかないことも多い

やはりケアマネの私を演じていないと

大事なことを見落としてしまう

 

責任の所在はどこにあるのか??

 

1人暮らしで家族も支援者もいない場合

全ての事業所はケアマネへ連絡し決定を迫る

 

「今日支援に入ったら留守でしたがキャンセル料をいただいてよいですか?」

「利用料を払ってくれませんがどうしたらよいですか?」

「この品物を持って帰れと言われますがもらってもよいですか?」

「足が痺れると言っていますがどうしたらよいですか?」

「今日は休むと言われますが休まれてもよいですか?」

・・・

 

そんなの本人と話してくださいよ

 

何度も口に出そうになる

しかし

その本人の意志決定がままならず

その方の代わりに選択し決定をする人がいないのも事実

特に大事なことについては

ただのケアマネがその方に変わり意思決定できるはずもない

 

「ケアマネさんが良いって言われました」

「ケアマネさんには報告してます」

 

責任の所在はどこにあるのか??

 

正直荷が重すぎると感じることも多い

 

本人の判断能力が曖昧になる前に

成年後見制度を利用していただければ

こちらも幾分か肩の荷も下りるというもの

しかし

超難聴のこの方の場合

成年後見人など毎月の支払いをしたくない

と利用は断固拒否

 

介護サービス事業所はじめ

主治医やご近所さん

民生委員さんに町内会長さん

市役所長寿支援課、高齢者福祉課、警備会社

住宅改修業者や知人・・・

 

あらゆる人に電話をかけ難聴の為一方的に終話

電話を受けた方はケアマネにその旨連絡くださる

自分の要求はしっかりと主張され

どんな理不尽なこと(本人は当然なこととの認識だろう)でも

思う通りに行かないと

「年寄りをいじめるのか?」「私は頑張っている」「今に痛い目に合う」

と憤慨し手も上げられる

とにかく話が通じない

こちらも感情的になりそうになるのを

抑えることが必死で

冷静な判断を失っていく

 

この方がどのように暮らしたいと思っているのか

 

その点はブレずに意識し

介護サービスが不必要と判断すれば

無理に進める必要なんてないが

 

「どうされますか?」

「どちらが良いですか?」

と自己決定を促しても自身で答えを出すことができない

 

「誰かがしてくれる」

 

その誰かって?

 

「誰かだ」

 

この方の自己決定を支えてくれる方は・・

 

行政でもない

身よりはない

知人は見返りに金銭を要求される

ケアマネなのか?

成年後見人・・・お願いしたいところである

 

これからますます

身寄りのない1人暮らしの方は増加してゆくだろう

あの行政書士さんのようにスマートで明確な支援ができるよう

現状では十分な支援ができずに申し訳ないが

経験を積み勉強させていただくしかない

そう思っている