ケアマネの私とオフの私の日記

書くことで気持ちの整理をしていきたい。。

校長の式辞

卒業式や入学式の式辞なんて

当たり障りのない形式的なものばかりだと

思っていた

 

現に今年は小中の卒業式に加え

中学校の入学式を終えており

特に印象に残るフレーズもなくやり過ごしていた

 

今年は

皆口をそろえてスピーチの冒頭は

「新型コロナウィルス感染拡大防止のため・・」

からはじまり

この何だか難しいフレーズをスムーズに言えたことで

もうひと段落している雰囲気すら醸し出していた

 

例のごとく

高校の入学式も時間短縮・参加者制限にて始まった

新型コロナウィルス感染拡大防止のため・・

窓は全開で4月と言えどかなりの冷え込みだった

 

新入生全員の点呼が終わると

校長の式辞が始まる

 

初めて校長の顔を拝見する

その式辞の内容は

今までのそれとはまったく異なり

言葉の一つ一つに校長の強い意志を感じるものだった

 

通り一辺倒の

学校生活は〇〇を頑張りましょう

3つの大切なことがあります

なんて話ではない

 

冒頭では

現在のコロナウィルス流行について

校長の思いを語られた

 

他者に責任転嫁し

他人事にしてしまうのではなく

自分たちができる分野で協力していく必要がある

行政、医療関係者、薬剤の開発、保育の現場、我々教職員も

この社会全体を支えている一人一人の協力が必要であり

目先の事だけではなく

もっと広い視野を持たなければならない

何もせずに批判する者を

私は軽蔑してやまない

将来

君たちはこのような現状でも打開策を見つけ

率先して社会を牽引していく

そんな人間になってほしい

なんとなく大学へ進学するのではなく

その道に進むべくして大学を選んでほしい

(正確な内容ではないが私の記憶ではこう解釈している)

 

ここで

ぐっと引き込まれた

会場全体の温度が一気に上がったように思う

 

さらに

ただ現状を悲観したり不安を煽るのではなく

東日本大震災や多くの災害により

避難所での生活を余儀なくされている方の人数を示し

発生当初と現在の数の比較により

全員ではないがこれだけの人数の方が自宅に戻っている

各々の分野で協力し合い確実に前進している

我々の可能性は未知数であり

君たちはその一端を担っている

大いに期待している

 

数年前までは想像すらしなかった

スマートホンを操り

人類は進化していっている

車の自動運転も開発され

現実になっている

 

など

ただ現状を悲観するだけでなく

しっかりと事態を認識し

自分たちがすべきことを見出していく

可能性は無限大であり

未来は明るい

そのような

力強いメッセージであった

 

何のために高校に行くのか

何のために勉強をするのか

自分から学ぶことの意味を見出し自主性を育てるとは

こういうことなのかもしれない

 

特に影響されやすい私は

校長の話に大きく頷き

感銘を受けていた

 

通り一辺倒の式辞だろうと思っていたが

その内容は

確かに校長の生徒たちに対する責任感や情熱を

感じるものだった

 

数分の出来事であったが

数時間の研修に参加したような充実感を覚え

研修報告書を書きたいくらいだった

 

そういえば

 

入学者説明会の際に

数名の先生方が

「うちの校長は良い話をされますから」

と言われていたのを思い出した

 

なるほど

こういうことか

 

ただ話の構成が上手いだけではなく

興味深い話題でもあり

話し方はもちろん

聞く者の心を引き込む力を感じた

 

「校長も「人のせいにしない、もっとグローバルに考えなさい」って私と同じことを言われたでしょう」

 

帰りのバスで彼に問うと

「そう?僕、24時間寝ていないから眠かったんだよね」

なんて

すっとぼけた返答に

1人こぶしを握り締めたのであった

 

どうか

この3年間で彼の心にも響いてほしい

校長先生

よろしくお願いします