今年はコロナウィルスの影響で家庭訪問は中止。代わりに高校での三者面談実施となった。本来ならば、夏休み真っただ中の昼下がり、高校へ出向く。
木造りの靴箱が全校生徒分並んでいる圧巻の景色。だだっ広い靴箱スペースを抜けると、そこは中庭が広がっていた。
外は快晴で日差しが痛いほどキラキラしていた。それもそのはず、中庭から靴箱側のガラス戸を鏡代わりに、数十名の女子生徒が並んでいた。
ダンス部♬
ジャージを膝までまくり上げ、音楽に合わせて皆同じ動きを繰り返す。これぞ青春。見ているこちらも心躍り、しばらくガラス戸越しに見学させてもらった。
私が学生の頃はダンス部なんてあったのだろうか?記憶にはない。ヒップホップなのかストリートダンスなのか、まったく詳しくないので分からないが、キレッキレの彼女たちの動きを見て元気が出てきた。
私も高校生だったら、ダンス部に入りたい。
いや、高校生に混ざることが許されるなら、今この時からでも一緒に踊りたい!!
体を動かすって楽しいもの。
決して運動が得意ではなかった。体育で2をもらったこともある。運動会なんて大の苦手。走る競争なんてしたくない。まして集団行動なんてできれば避けて通りたい。
人生の折り返し地点を過ぎた今、1人で近所をランニングするのが楽しい。高校生が主人公の映画なんて見てしまう。特に部活もの・・・。
私は
青春をやり残してきたのだろうか?
もしかすると、1人が気楽で心地よいと思っていたが、高校生の文化祭のように一致団結して同じ時を過ごし、友と笑い合いたいのだろうか?
例えそうだとしても、やはり、自分の高校時代には戻りたいとは思わない。それなりに楽しくて、貴重な時を過ごしたとは思うが、高校時代からやり直す体力はないし、世間を知ってしまったから純粋には楽しめない。
それに、決して裕福で恵まれているわけではないが、今の自分が一番幸せだと思っている。自分で稼いだお金で子供たちを育て、自分の意思を持って生きている実感を得られるし何より、自由だ!
もちろん、自由には責任が伴い、息子が不祥事を起こした際には謝罪するのが私の務めではあるが良くも悪くも自分次第なのだから、自由だ!
ダンス部に入りたいなんて、今この年齢だからそう思うのかもしれない。それなりに色んな経験を重ねてきた今だからこそ、ダンス部に入りたい!
けれど現実的ではないから、ダンス部の彼女らから元気をもらい、私は私なりに心躍ることを見つけていきたいと思う。