息子の通う高校はスマホ所持はOKだが、学校内での使用は禁止。
入学当初に誓約書に署名した。
ある日の午後だった。
見知らぬ番号からの着信に折り返すと、高校の担任の先生からだった。
「帰ったら本人からも話があると思いますが、学校内でスマホを使っていました。本来は保護者に学校まで没収したスマホを取りに来ていただくところですが、コロナの影響もあり、校舎内への立ち入りはできませんので、今回は本人へ持たせています。しょんぼりはしていましたが、反省文を持たせましたので保護者欄に記載をお願いします」
思いつく限りの謝罪の言葉を引っ張り出し
できるだけゆっくりと丁寧に謝罪した。
あのバカ野郎・・・またか。
さて
彼に対してどう対応しようか、こちらの態度を考える。
先生からお電話いただいた直後は、怒りは沸点に達しており、首根っこを摑まえてコンコンと説教でもしたい勢いだった。
今までにも、学校からの呼び出しや電話は多数あり、先生にご迷惑をかけたり、ルールを守れないことが許せず、恥ずかしく、情けなく、なぜ世の中のルールが分からないのかが分からず、自分の感情に翻弄され、ただ怒りをぶつけるに過ぎなかったように思う。
その一瞬は反省したように見えるが、また元の木阿弥。何一つ彼には響いていないようだった。
今回は、冷静に対処しよう・・・
今この時から24時間は怒らないことにしよう。
よくよく考えると
公立高校に進学できたことだけでも万々歳ではないか。
(受験前はこちらも気が気でなかった)
体も健康で身長も私より大きくなり、ありがたいことではないか。
(健康第一)
1人で公共交通機関を乗り継ぎ学校に行ける日が来るなんて、夢のようではないか。
(小学校の時は寄り道も多く後をつけて行くものだった)
人に迷惑をかけたわけではない
学校でスマホを使ったことくらい大した問題ではないではないか。
(ルールは破っているが・・)
なんとか思考を修正する。
「これ、書いて」
おもむろに本人欄記入済の反省文を差し出される。
そこには”コンタクトがずれたので、確認しようとスマホを使った”とある。
言いたいことを全部押し殺し、今後の改善策のみを話し、黙って保護者記載欄に記入した。
高1男子の頭の中なんて分かりようもない。
もはや、私の感覚で話をしても100%通じない。
ならば
彼の思考回路にこちらが寄せていくしかない。
彼を攻略するには、こちらが変わるしかないんだ。
おかしいのは私なんだ。
きっとそうだ。
でも
私にはコントロールできないところで、彼が問題を起こすとすべて私が対処しなければならない。そんなこと、彼はお構いなしで、自分の力だけで生きていると思っていることだろう。
いや、それでいい。
そうやって大人になっていくんだから。
そう思ってはいても
日々の諸問題発生時に冷静を保つのは難しい。
とりあえず
感情的に怒らないことにして、映画にもなった”嫌がらせ弁当”を作ってみることにした。キャラ弁でもいいな。
友達と、お昼ご飯を食べるときに思い知るが良い。
初回のメッセージはもちろん
”ルール守れ!”である。
ふふふ。