マスクのワイヤーが鼻に接触する部分が、たまに緑色になっていることがあり、気になっていた。鼻パッドを見ると透明なシリコンゴム?が被せてあり、中に粘度のある透明な液体のようなものが入っているようだった。何かしら有害な化学物質が発生しているのでは・・・。シリコンゴムを外して確認する勇気もなく、購入した眼鏡店を訪ねた。
平日の夕方、店内にお客さんの姿はなく、数名の店員さんたちのみ。中でも、すらっとした若い女性がすぐに対応くださった。
どうやら、汗や水などが鼻パッドとシリコンの中に入り込み、よくこのような状態になるらしい。(後日ネット検索すると、緑青という金属の銅が酸化することにより生成されるとか記事が出ていた。)
女性のかけている眼鏡の鼻パッドを見せてくださり、それはシリコンの覆いのない透明なものだった。シリコン製でも、透明なものでも、今すぐ無料で交換してくださるとのこと。
お客さんもいなかったので、すぐに交換してもらい、かけ具合も調整していただいた。
「ばっちりです。」
下を向いてもずり落ちず、きつくもなく顔と同化している感覚のかけ心地。鼻パッド交換はもとより、少しネジを締めて、耳にかかる部分を少し調整しただけなのに。ほんの少しのことで、眼鏡ライフが劇的に快適なものとなった。最近は、緑が気になるのはもちろん、たびたびずり落ちてきて、優等生のように眼鏡をくいっと持ち上げる作業がストレスとなっていただけに、このかけ具合の調整には恐れ入ったのだった。
しみじみ感動して、女性に何度も「ばっちりです。」と連呼する始末。きっと娘が一緒なら、「お母さん、恥ずかしいからやめてよ」と言われる姿も目に浮かぶ。でも、ほんの少しの調整で、不具合が劇的に改善されて嬉しくて(パッド交換無料も嬉しかったし)、やはりプロはすごいなと感動して、この気持ちを女性に伝えたくて、出てきた言葉が「ばっちりです。」だったのだから仕方がない。
もしかすると、日々の暮らしでも、人生の中でも、ほんの少しの調整で、劇的に事態が好転することがあるのかもしれない。こんな些細なことで眼鏡店に行っても良いのだろうか?と遠慮していたが、勇気を出して来店して良かった。
「ばっちりです。ありがとう。」