satoimo's diary

人生も折り返し地点を過ぎた。自分を大切にするためには...

家事代行からの妄想

高齢者の方の一人暮らしを支援するにあたり、食事の確保は重要となる。

 

もちろん、好きなものを自分で調理される方もいる。

 

自分で動ける方は、コンビニ総菜や弁当を購入。

外出は難しいが調理できる方は、カット済食材と調味料の配達を受け、自宅で調理するミールキット。

レンチンできる方は、冷凍食品や家族が持ち寄った冷凍おかずや即席みそ汁など。

調理が難しい方は、毎日届く宅配弁当。

さらには、配達員さんがリビングのテーブルまでお弁当を持ってきてくれる。

デイサービスなどで食事の提供を受けると栄養バランスの良い食事を確保できるなど様々な選択肢がある。

 

それらは自炊よりもお金がかかる。お金を気にして、1食分の弁当を2回に分けて食べたり、パンで済ませたりという方もおられる。

 

食事の確保は、高齢者に限らず全世代で悩ましい問題のようで、今は家事代行業の利用が伸びているらしい。

 

夫婦共働きで子育て中、妻が帰宅後に食事を作るのは、時間的にも体力的にもかなりの負担。そもそもなぜ妻が調理を担うことになるのかも疑問。以前は、総菜を買うのすら罪悪感があり、皿に移して食卓に並べたりという時代もあった。母親がいるのに、弁当をポンっと食卓に出すなんて滅相もないとか。冷凍食品なども主菜にするのは気が引ける。なんて、その世代の感覚をまだ私も持ち合わせてはいる。

 

介護保険が始まり、他人が自宅に入ることへの抵抗感が低くなり、家事代行サービスは受け入れられてきているらしい。調理のひと手間を残したミールキットはタイパが悪い。1週間分の冷蔵総菜をまとまて配達を受けるサービスが急速に伸びているとか。食べてくれるかもわからない食事を時間をかけて作るより、栄養バランスの良い味も標準的な食事をさっと用意できたほうが良い。浮いた時間をもっと大事なことへ使える。

 

病院の厨房で働いていた時に思っていた。

 

何百食という食事を朝昼夕と患者さんのために作るのだが、それは患者さんに限定されず、周辺の家庭向けにも提供する日が来るのではないかと。栄養バランスも良い食事。夏場は家で揚げ物なんてしたくない。もっといえば、施設ごとに献立作成するのではなく、地域単位で、いや国単位で献立作成し、同じメニューを国の機関厨房で真空パックし、地域拠点の厨房で各家庭に割り振り配達する。全国民は、毎日同じメニューを食べることになる。自分で調理することはなく、家庭のキッチンは消え、包丁を持つこともない。「え~、家でお母さんが料理してたの?信じられない」なんて日が来るのでは・・・。もしかすると、スマートウォッチなどで、睡眠時間やバイタル、排泄状況や精神状態などのデータを国が集約すると、同じものを食べているのだから疾病につながる要因や確率などをAIで分析でき、理想的な生活習慣を提案、病気を予防し、ひいては医療費の削減につながるのでは・・。我々は、毎日の献立作成、調理の呪縛から解放され、さらには健康も手に入る。一石二鳥ということか。そうなった場合、運用には税金を利用するのだろうか?多様性を認める社会と言いながら、画一化され統制された社会になるのではないか。

 

お金に余裕があれば、利用してみたい家事代行サービス。毎日のお弁当や夕食のメニューを考えなくてよければ、食材の買い物へ行く手間が省ければ、確かに時間を有効活用できるかもしれない。