ケアマネの私とオフの私の日記

書くことで気持ちの整理をしていきたい。。

反抗期も悪くない

この世に生を受けたその瞬間から

すでに

彼の反抗期は始まっていた

 

何一つ

私の言うことを聞かずに

中学三年生になる

何一つだ

 

 

保育園では

先生より先に答えを言うから

と園長先生に呼ばれ

 

今は良いけど

人の話を聞かないと勉強についていけませんよ

愛情が足りないんじゃないですか?

 

と面と向かって言われて

返す言葉もなかった

 

児童クラブでは

落ち着きがないとかなんとか

と3人の先生に囲まれて

ひたすら謝った

 

小学校に入った時にも

1人で学校に行けるか心配で

そっと後をつけた1学期間

 

ランドセルの底には

プリントがグチャグチャにプレスされ

鉛筆は全部筆箱から飛び出していた

 

授業中に皆が教科書をめくるのに

彼の心はここにあらず

どこ吹く風で窓の外を眺めたりしている

そんな彼を見ると

深く自分を反省した

 

私が常々早くしなさい!

と言ってきたから

彼の心は今ここにないのかもしれない

 

友達と喧嘩をした

人のお宅の植木鉢を割った

走行中の車に石を投げた

友達の定規を壊した

友達のゼッケンに落書きをした・・・

 

そんなことで謝罪に伺うたびに

深く自分を反省した

 

いつか気づく時が来るはずだと信じて

 

この世に生を受けたその瞬間から

彼は私とは別の人生を歩きだしたように思う

価値観も何もかも違うのだから

 

中学生になる頃

彼の反抗期は更に加速していった

 

反抗期に反抗して対抗していた私は

取っ組み合いの喧嘩をした

目には目をの精神で

彼と同じレベルになってしまっていた

部屋の壁には穴が開き

まるで

昭和の反抗期そのものだった

 

私が反抗すればするほど

彼の反抗を増強していったように思う

手加減なんて知らない彼に

一度だけ

顎を殴られたことがある

 

意識が飛ぶってこんな感じなんだぁ・・

 

負けてたまるか!

と抵抗していた私も

彼に背を追い抜かれた頃から

もう力では勝てないと思い

力づくでの説教はやめにした

 

理論的に説明し彼自身に選択させることにした

顔を見ると

ウザい

と言われるので

こっちもそう思っているぞ!

と心の中で呟きながら

大切なことや伝えるべきことは

文章にして手渡すことにした

 

できるだけ顔を合わせないようにし

彼に必要とされたときにだけ

助言する

お弁当を作る

印鑑を押す

あとは自分で考えて

できないときには相談しなさい

とにかく

自分で考えなさい

とだけ伝えた

 

気にくわないことがあると

扉をガシャンッと閉めて

僕はここだよと主張する

そう考えると可愛いものなのだが

いちいち気にしていたら

こちらもストレスになるから

常に穏やかでいるように心がける

何かあるときには

彼の方から言ってくるだろうから

大丈夫

 

諦めも大事なのかもしれない

私の言うことなんて聞くわけもないし

全部聞いていたら逆に気持ちも悪いだろうし

 

私の思う中学生男子とは

斜に構えていても良いだろう

音楽に目覚めギターなんかを始めて

バンドなんかを組んでほしい

ちょっと隣街なんかに行ってみたりして

仲間を大事にし

思いつくことは多少の悪いことでも

臆することなく好奇心が勝ってしまう

そんな感じかな

 

ねぇ

ギターとかさぁ興味ないの?

 

ない

 

あっそう

で部活はどう?

 

別に

 

あぁそうですか

 

お互いに調子が良い日は

話すこともある

普段は話さなくても

彼が何をしているのか手に取るように分かる

そこはまだ子供なのだろう

あえて詮索はしない

私に秘密を作るくらいでちょうど良い

 

2年生の思い出の色紙が机に置かれていた

そのコメントを見て

ほっと一安心した

学校では上手いことやってるんだ

と分かったから

ちゃんと女子からもメッセージ

もらっているじゃない

 

おそらく

彼は自分が何者なのかを考え始め

漠然とした不安や

相反した無限の可能性に気づき始め

どことなく身の置き場のない

靄のかかった日々を送っているのかもしれない

 

しかし

その答えは自分で見つけなければならない

人から与えられるのを待つのではなく

自分で感じて考えて進んでいかなければならない

 

私にできることは

温かいご飯を用意して

必要な経費を支出する

求められたときにだけヒントを与える

そんなことぐらいではないだろうか

 

これからの人生は自分で切り開いていくものだ

 

人様に迷惑さえかけなければ良しとしよう

もう好きなようにおやりなさい・・・

 

 

中学校の入学式

私は一番乗りし

最前列の真ん中に陣取った

しばし読書をしてやり過ごし

お決まりの式が始まった

 

退場の際

吹奏楽部の生徒による生演奏の曲名は

♬君の瞳に恋してる

ターラッ ターラッ ターラタッタッタラー

I LOVE YOU BABY・・

 

涙がポロポロ出てきた

やっと中学生になったという嬉し涙だった

 

こんな私を早く追い越していってほしい

踏みにじってもらっても構わない

いや

もうすでに追い越されているのかもしれないな

 

彼の身になり寄り添うことで

何だか反抗期も

悪くない

そんな気がする

 

考えることは難しくなっていくが

身体的には楽になったから

 

私は私の生き方を

自信をもって進んでいく

そのことが彼への自信にもつながると思うから

 

そのためにも

いつも穏やかにいられるように

楽しいことや幸せなことを想像していよう

 

目の前のことを丁寧にこなし

チャリ~ン♬

徳を積み重ねていこう

 

そして

大好きな人のことを想って

月を眺めていよう