アラフォーにして
初めての美術館。
海外の美術館から運ばれた絵画展だった。
どれもゴージャスな額縁に入れられ
存在感がある。
あまり絵に詳しくはないが
お客さんも少なかったので
一つの絵の前に立ち
近くから、遠くから、色んな角度で見てみた。
遠くから見ると
確かに人は人、木は木だと分かるが
近くから見ると
単なる点で描かれているものが多く
人が人とは認識できない。
まるでトリックアート。
遠くから見ると
人の肌を描いているのに
近くで見ると
青や緑など実際の人の肌とは異なる色で描いていた。
絵画は、写真とは違い、正確にそのものを描写する必要はなく、画家が感じたその視点で自由に描くということなのか。
正確さを求めて
四角四面になっていた自分に気づく。
同じ物を見ていたって、人によって捉え方は違うし、りんごが絶対に赤いなんてこともない。何色だって良い。
大人になって絵を描く機会もなくなり、娘が小さい頃に一緒に参加したスケッチ大会で愕然としたことがある。
絵が描けない。
書けるけど描けない。
何の面白みもない絵。
社会からはみ出さないように、周りから浮いてしまわないように、長い物に巻かれて、常識と言われる行動を正義としてきたように思う。
そうするうちに、遊び心はなくなり、好きな事も分からなくなり、ガチガチの人間になった。
それは、毎日面白くもないはず。
人生も折り返し地点を過ぎて、何を周りを気にする必要があるだろうか。自分が勝手に思う常識に近づこうとしたところで、他者からしたらそれこそ可笑しな行動かもしれない。
何かを押さえ付けて見ないようにして生きるよりも、思うまま、感じるまま、自由に生きる感覚を取り戻していきたい。
良い歳してたって、私は私。