最近、数年不在になっているお隣さんの駐車場に猫が大集合している。
どうやら、通りすがりの老婆が駐車場に侵入し餌を与えているらしい。
中学校の下校時間に出没するらしく、娘から現行犯の写真が送られてきた。
何が困るって、お隣さんの庭に猫たちがフンをしてしまうこと。次第にエスカレートし、我が家の駐車場にも侵入されたら。。
数日後、お隣さんの駐車場には網が張られていた。
しかし、その奥にはキャットフードがばらまかれている。
いたちごっこか・・
昼間は仕事のため様子が分からず、帰宅時に網があったりなかったり、餌があったりなかったり。
日曜日。偵察もかねて昼間に庭の掃除をしていると、押し車に段ボール箱を積んだ老婆が現われた。思わず、声をかける。
「こんにちは」
「あら?誰かいるの?私は目が見えないものだから」
「え?目が不自由なのですか?」
聞けば、幼少期より弱視で白内障を患い、ほとんど目が見えないらしい。人間関係ほど煩わしいものはなく、一人暮らしがちょうどよい。料理も好きであり、何ら不自由はなく、猫たちが一番良い。自身は猫の生まれ変わりかもとの思いがあり、猫たちがついてくるそう。娘は看護師をしているが、まだ生きているの?と言われ、面倒を見ようという気はさらさらないようだ。老婆には猫たちがいるから、今日もスーパーまで餌を買いに行ったらしい。餌をやるなと近所の男性に注意され、網を張られたが、猫たちがかわいそう、皆各々の価値観があるからと、状況は理解されており、認知症とも言い切れない。
「人の家で餌付けするのはマナー違反ですよ」
なんて、言える度胸はなく
「転ばないように気を付けてくださいね」
と返答するのが精いっぱいだった。
でも。
公共の福祉に反することは、はっきりと伝えた方が老婆のためかもしれない。一人暮らしと言われたが、自宅の環境は大丈夫だろうか?娘さんは、母親の状況を知っているのだろうか?猫に餌付けする迷惑な老婆のレッテルを張られ、ご近所からも厄介者扱いをされているかもしれない。いざというときに、頼れる身近な人はいるのだろうか?
心配は尽きなかった。
次に会った時には、ゆっくり話を聞いてみよう。
なぜ、他人の家に入り込んでまで猫に餌付けをするのか?家主に迷惑をかけている認識があるのかどうか。