satoimo's diary

人生も折り返し地点を過ぎた。自分を大切にするためには...

インプラント

インプラントにしようかと思って、歯医者に行っているのだけれど、母を見ていると、しないほうが良いかなって思って」

 

70代の女性、県外から長期帰省し実母の介護中。4本の歯について、知人にインプラントを勧められ検査中だが、インプラントは骨に直接取り付けるため、本来歯根と骨の間にある組織?がなく、バイ菌が入りやすいため、装着後は毎月のメンテナンスを要するらしい。

 

「歯が外れる心配もないし、良さそうと思っていたの。でも、私も母のように高齢になっていくし、車の運転もいつまでできるか分からないわ。自分で歯医者に行けなくなったり、施設に入ったら専門的な歯科治療なんて難しいでしょう?まだ、インプラントをされた高齢の方がいないから、私たちの頃には良いシステムもできているかもしれないけれど。一応、後悔したくなかったら検討はしたけれど、やはりやめておくことにしたの」

 

「歯を大事にしてね」

 

インプラントにすることで、今は便利に過ごせるかもしれないが、将来、自分も環境も変化した際に、インプラントはどう作用するのか。

 

住宅街を散歩していると、駐車場から玄関まで階段のあるお洒落なお宅を見かける。玄関に目隠しをされた設計で、どうやって出入りするのか不思議なお宅も。

 

今は快適なマイホーム生活を楽しめるかもしれないが、将来、仮に車いす生活になった際にどのように出入りするのか。先々を考えて出入りのしやすいバリアフリーにされれば良いのになと思うことが多かった。

 

しかし

インプラントの話を伺ってから、少し考えが変化する。

 

別に今を優先して選択しても良いじゃないか。

 

もちろん、将来を見据えて見送るのも一つの選択肢だが、先々を心配して、今本当にしたいことができなくなる恐れもある。そんなのつまらない。いや、どちらが正解かはおそらく、一生かかっても分からないし、正解も不正解もないのかも。

 

そういえば

以前の勤め先の年配の男性が、ローンで大型バイクを購入された。

 

「金はローンでこれから払うが、先に欲しいものを手に入れておかないと、自分もどうなるか分からないからな。俺はローンを組んででも、先に物を手に入れたいんだよ」

 

ローンが残るなんて考えられない。保証人になり苦労した父の姿を見ており、ローンを組むなんて、私にとっては、あってはならないことだった。

 

でも

色々な価値観がある。

 

凝り固まった頭を柔らかくしていきたい。