ケアマネの私とオフの私の日記

書くことで気持ちの整理をしていきたい。。

成人式

夏場と同じ時間帯でも

5時台の朝はまだ真っ暗だ

その後の予定を考えて

日焼けの心配無用な走りに出かける

 

休日の早朝は

すれ違う人もいない

 

さすがに山の上の神社には行けずに

街灯のある川沿いを走る

平坦地の二車線道路に差し掛かると

いつもは真っ暗な通りに

明かりが見えた

数台の車が吸い込まれてゆく

 

そこは

美容室だった

 

こんな早朝から美容室?

 

そうか

成人式かぁ

 

その後も煌々と明かりの灯された

数件の美容室の横を走り抜け

長い緩やかな坂道を登りながら

回想する

 

私にも確かに

成人式の頃があった

 

青柳色の振り袖

 

着物に興味はなかったが

訪問販売に来られた母は

私に内緒で仕立ててくれていた

 

七五三をした覚えはないから

おそらく初めて着物に袖を通す

 

小学生の時に転校して以来

仲良くしていた

彼女と2人

皆に倣って成人式に参加し

夜は背伸びしてホテルで食事をした

 

心はまだ幼いままで

何でもできるような気がしていた 

 

守るべきものもなく

あるのは

若さと勢いだけだった

 

世の中のことは何も知らないが故に

怖いものなどない

 

そして

何の後ろ盾もない

 

あれから

倍の年月が過ぎた

 

色んなことがあった

あっという間でもなかった

楽しいことばかりではなかった

思い出したくないことの方が

多いかもしれない

 

でも

彼が言ったように

過去は変えられると分かった

 

自分の捉え方次第では

どんなに辛いことでも

ここに辿りつくために

必要な出来事だったとも

再認識できるのだ

 

 

昨年の今頃

過去を振り返るのはやめて

前を向いてゆくために

不要なものはとことん処分した

いわゆる

断捨離

 

写真もその中の一つであり

成人式の写真も残っていない

悲しい思い出がある訳ではないが

写真を見返すことなんてないし

思い出の風景は

良い感じにデフォルメされて

頭の中に保管されているから

いつでも思い出せる

 

何より

写真を残しておくと

過去を振り返るようで

嫌だった

 

今必要なもの以外

いつか使うかもと思っていたものも全て

処分すると

身も心も軽くなり

前向きになれた

さらに

今何が必要なのかも分かってきた

 

物に執着して

がんじがらめになっていたことに

改めて気づく

 

パソコンのゴミ箱を空にして

不要なアイコンは削除し

アンインストールまで行う

なくなって困ったら

またその時ダウンロードすれば良い

 

とあるアーティストが

ツアーに行く際の持ち物について

ポケットに下着一枚と

ジップロックに入れた現金のみ

他は何も持たずに出かけると

言っていた

 

そうありたいものである

 

夜空に浮かぶ美しい満月を見て

思わず写真に残したくなる

あの満月の美しさを

共有したいと思う

 

しかし

私は今生きている

今の私と満月を見ていた私

そして明日の私や明後日の私

同じようで同じではない

 

なら

写真になんて残さずに

今この瞬間を

満月を見て美しいと思う気持ちを

存分に味わいたい

そして

その時感じた気持ちを

良い感じにデフォルメして

いつでも思い出せるようにしたい

 

写真に残すのも良いけれど

私は

心に焼き付けて

今その時を存分に味わって

生きていきたいと今は思っている

 

成人式を共にした彼女とは

数年連絡をとっていない

元気にしているだろうか?

 

成人式の頃を思い出しても

あの頃に戻りたいなんて思えない

若くて勢いのあるの頃にも

学生の頃にも

過去のある時点に

戻りたいなんて思わない

 

年齢は重ねても

若さは失われていっても

今の自分が良い

 

過去も未来も

今の自分次第なのだから