勤務先の特別養護老人ホームは、3回に分けて利用者さんと特養職員にコロナワクチン接種をするらしい。
所属が特養の事務員さんの接種日、事務所は空になっていた。
コロナ禍になり、極力、他部署へ行くことや、入所さんの所へ行くことも避けており、殆ど情報が入ってはこないが、廊下越しの人の動きで、動向が分かるのも嫌になる事がある。
デイサービス始め、私共のような接種対象ではない在宅担当者らの目を避けるように、彼らは接種のため医務室へ向かう。
数日前に、宿直の男性が上の者に詰め寄る姿を見ていた。おそらく、自分も接種したいとの申し出だったのだろう。
その日は、その男性の姿もあった。
接種対象者でも、受けたくない者もいるらしいが、皆、何処か、疑心暗鬼になっているようで、殺伐としているように感じる。
接種を受ける者は、そうでない者への遠慮もあり、接種対象でない者は、その線引きに不満を隠せない。
誰が悪い訳でもないのに。
互いに牽制し合ってしまう。
平等なんてない、仕方のないことなのに、口を開けば不満が漏れる。
高齢者と関わる仕事でもあり、皆各々に、我慢を強いられ、感染予防に努めているだけに、その不満の矛先が見出さず、鬱々としているのも事実。先が見えない不安。
大丈夫だよ。
そのままで大丈夫。
よく頑張っているね。
自分で自分を認めてあげて、何とかモチベーションを保ち、毎日のルーティンをこなしていくより他ない。
最近、ベーグル作りにハマり、新しい細やかな楽しみもできた。
人生も折り返し地点を過ぎた。残された時間は、楽しいことに使いたい。