自殺未遂歴のある一人暮らしの70代女性。
毎月の訪問でのことだった。
年末年始感情が不安定になり「楽になりたい」と息子さんへメールしてしまい「お母さんばかり楽になっても、僕らは一生つきまとうんだ」と叱られたとの話から、自殺未遂となった経緯や、体調不良のこと、家族やご近所のことなど泣きながら1時間ほど話してくださった。
ケアマネとしては、感情移入しすぎないように意識しながら、しかし、ちゃんとお気持ちを受け止めていますよと傾聴に努める。
というか
聴くことしかできない。
ひとしきり話されると、「長くなってごめんなさい。頑張ります」と女性。
以前、子供らがボーイスカウトに参加していたことがある。その際、ある隊の恰幅の良い年配男性隊長が、好き放題走り回る子供達に
「良いよ、良いよ。大丈夫。大丈夫。」
と口癖のように語りかけていた。
その言葉に、子供達は大いにはしゃぎ、見守られるなかで伸び伸びと活動していた。
その状況が思い出される。
「辛い思いをされたんですね。頑張っても頑張らなくても大丈夫。泣きたい時には泣いても良いし、大丈夫。聴くことしかできませんが、私でよければいつでもお話してくださいね」
心理カウンセラーでもないので正解は分からないが、大丈夫という根拠もないが、大丈夫ではないという根拠もない。解決策は提示できないし、責任も持てない。
大丈夫。
結局、ケアマネという専門職というより私個人の対応になってしまっているようにも感じる。
最後は自分に言い聞かせるように呟いた。
大丈夫ですよ。