satoimo's diary

人生も折り返し地点を過ぎた。自分を大切にするためには...

穏やかな状況

在宅医療・介護多職種連携会議

 

終業後は一目散に帰路に就くのだが

その日は上記研修会参加のため

自宅とは逆方向に1人車を走らせた

 

医師、看護師、MSW、薬剤師、PT、CM・・

文字通り多職種での事例検討を行う

私なんてまだまだ経験不足なもので

入り口近くの隅っこに

身をひそめるようにちょこんと座っていた

 

看取りの事例

講師の医師は「どのような最期を迎えたいか?」と

参加者にマイクを向ける

 

皆一様に

自宅で穏やかに・・と発言

 

私はどうだろう?

 

私は子供達にも誰にも迷惑をかけずに

病院なり施設なりでひっそりと最期を迎えたい

そして自分の生きた痕跡を残さずに土に返りたい

だからこそ今を精一杯生きたいし

大切な人に出会うことができて

幸せを知ることができただけで

どこにいても例え1人でも十分に幸せだし

それだけで他には何も必要ない

そう思っている

 

それはまだ死というものを

実感していないからなのかもしれない

 

理想と現実の差が苦しみを生む

選ぶことができない苦しみ

 

穏やかな状況を作れるよう

本人や家族の思いを探り

何故そう思うのか理由を探り

現実と理想の

本人と家族の思いの

妥協点をみつけていく支援の視点

 

「あなたにとって穏やかな状況とは?」

 

私にとって穏やかな状況とは何だろう・・・

 

1時間30分の間に

また頭には新たな知識が詰め込まれ

自問自答して帰路についた

 

翌日

研修報告書を提出する前に

上司に昨日の研修の内容でもあった

穏やかな状況について質問をしてみた

大変申し訳ないが

アセスメントを試してみたのだ

 

すると

なぜ職場の花に執着心があるのか?

その理由が見えてきた

生活歴を一緒に辿ることでそのルーツがみえたのだ

 

またそれは

穏やかな状況に通じるものでもあった

 

母親が花を育てる仕事をしており

幼少期には母親を真似て花を育てていた

その成長の過程を見るのも

開花した花を切り花にして飾るのも楽しく

土を触っているときが穏やかだ

自分の家を住みやすいように整え

いずれは娘に譲りたい

 

それが穏やかな状況であり自己選択ゆだねるの一つ

 

初めは穏やかな状況と漠然と質問されても

お風呂に入っているときなどと

抽象的な返答だった

私も同様だ

 

しかし

なぜそう思うのか?など少しの導きで

お互いに穏やかな状況について

見つけるに至った

 

「あなたに誘導されて気づいたのよ

 私も初めて分かった

 私が認知症になったら私の生活歴を書いてね」

と上司

 

実験してみて申し訳ない

 

しかし

何となくだが意向の掘り下げ方や

本人も気づかない真意の導き方が

分かった気がした

この感覚を忘れないように

意識して専門職として支援していきたい

 

すぐに忘れてしまうけれど・・・

 

ケアマネの私を演じていないと

心が苦しくなることもあるから

距離感を図りながら

常に冷静でいたいと思う

 

この上司へのアセスメントにより

上司のことを客観視できる感覚を覚え

朝の掃除もしかり花への執着や

気になる言動についても

受け止めることができたように思う

 

上司だからと

役割期待をしていた自分にも気づき

反省した

 

選ぶことができない苦しみ

逆に言うと選ぶことができる幸せ

 

食べるものを選ぶ/食べたいものを食べられない/嫌いなものを食べさせられる

着る服を選ぶ/着たい服を着れない/着たくない服を着せられる

住む場所を選ぶ/住みたい場所に住めない/住みたくない場所に住まわされる

行く場所を選ぶ/行きたいところに行けない/行きたくないところに連れて行かれる

することを選ぶ/したいことができない/したくないことをさせられる

 

私は今とても幸せなのだ

好きな服を着て

好きな物を食べて

自分の生きたいところへ行き

寝たいときに寝る

好きな人のことを想い

好きな時に走りに出かける

 

選ぶことができる幸せ

好きなことをしているときが

穏やかな気持ちなのかもしれない

私の場合

場所はどこでも良い

自分さえ存在すれば

すぐにでも幸せを感じることができるから