ケアマネの私とオフの私の日記

書くことで気持ちの整理をしていきたい。。

居宅ケアマネ

目力

ユマニチュードのケア技法の中で、相手の目線に合わせて目を見て意思疎通を図ると、相手も自分を認められたようで、こちらの話に耳を傾けてくれるという。 介護の現場では、ベテラン看護介護職になるほど、動作はスピーディーで、口では次の行為の声掛けをし…

虐待…か。

要介護3の母親と2人暮らしの息子。 コロナ禍で面会が叶わないため、リハビリもせず、病院の制止もきかずに母親を退院させたが、身体機能は低下しており、立つこともできず、今迄の息子の介護では到底賄えない状態だった。 何とか訪問系のサービスを調整し、…

コロナ禍の退院支援

ただでさえ、冬場は体調を崩される高齢者の方が多い。私の担当の方々も数名救急搬送され入院が続いている。 とある病院からは コロナ禍で病床が逼迫しているので、状態が落ち着いたらリハビリなしで退院になる。在宅で介護サービスの調整をしてほしい。 と身…

医師の一言

高齢の方に限ったことではないかもしれないが、主治医からの一言は相当重みがあり、絶大な影響力を持つ。確かに先生方は私どもでは到底及ばない医学的知識を持ち合わせ専門的見地から的確な診断をされているのは存じている。 しかし・・・ 言い方が・・・ 主…

娘への想い

同居の娘さんが主介護者の高齢女性も多い。 実の娘だから気を遣わずに済むとよく言われるが、また違う一面を垣間見る。 とある娘さんは 何かにつけて言うことを聞いてくれない すぐ老人ホームに入ると拗ねる 何もせずに母がそこにいてくれるだけでよいのに …

隣人トラブル

バス通りに面した女性宅の隣には17時より営業を開始するバーがある。高齢女性の一人暮らし。亡き夫が建てた我が家から離れる気など微塵もない。 今年の初め頃から、女性は隣人への苦情を度々訴えるようになっていた。 換気扇をこちらに向けて取り付けてうる…

孤独死

高齢で一人暮らしの方の在宅支援の場合、出来るだけ毎日の安否確認を確保するようにしている。 1日1回何らかの訪問。 自治体や民間の宅配弁当、訪問系の介護サービス、ヤクルトの配達や、ボランティアの見守りなど手立ては増えている。 家族からの電話や、見…

老後の理不尽

老後に備えて子育てをしながら、一生懸命働き、年金も税金も納め、節約して貯蓄に回してきた。 なのに。 なんて理不尽なのだろう。 貯蓄があるから、介護保険施設入所時の食費や居住費の軽減が受けられない。 課税世帯に分類され、自治体の配食サービスは、…

おもてなし

毎月、お客様宅を訪問し、生活状況を確認しモニタリング記録を付けるのは、在宅ケアマネ必須業務の一つ。 私のお客様は、要介護認定を受け、何らかの介護サービスをご利用されている人生の先輩方だ。 訪問時、おもてなしとしてお茶を出してくださる方も多い。 あ…

女性の人生

コロナ禍以降、私の勤務先の高齢者施設でもオンライン面会または、窓越しに顔を合わせて携帯で会話をするという非接触スタイルがとられている。 先日も日差しの強い午後、窓の外から、室内の母親と携帯で話しながら窓越し面会をされている夫婦がいらした。 …

意味のある徘徊

徘徊という言葉はあまり好きではない。 1人で遠くまで歩いて出かけると、徘徊老人扱い、買い物先でマイバッグに入れた商品をレジに渡すのを忘れると、犯罪者扱い。 「夜中に隣の男が玄関のチャイムを鳴らしに来て眠れないの」 「娘と喧嘩をして、もうここに…

zoom

介護支援専門員の研修も 専らZOOMでの開催となっている。 先日も、数百名で講義を受け ブレイクアウトルームにてグループ討議となった。 通常の研修時でさえ グループ討議で司会者、発表者を決めるのは至難の業 できれば引き受けたくない・・ 今回のブレイク…

小さくて黒い大量の何か。

「なんか、心がモヤモヤして。時間があったら、家に来てくれない?」 事務所で昼食中、80代1人暮らしの女性からの電話だった。 午後から訪問予定はなく、二つ返事で女性の家へ向かう。その前に、女性が利用しているデイサービスと訪問看護事業所へ近況を尋ね…

コロナ予防接種予約代行

75歳以上の方のコロナ予防接種 私の住む地方都市でも、数日前に対応可能な医療機関の発表が、自治体のホームページと、新聞に掲載された。 Aコールセンター又は予約サイト Bかかりつけの方のみ直接病院で電話予約可能 と、医療機関ごとにA.Bと対応が分かれて…

生活保護課での再会①

担当の方の手続きの為、保護課を訪ねた。 新庁舎は広々としてコロナ禍でもあり、人もさほど多くはなかった。保護課のフロアに降り立った途端に、聞き覚えの鳴る怒声が耳に入る。怒鳴り散らす女性の声だ。 恐る恐る声の出所を見ると、フロア真ん中のベンチにぐっ…

介護脱毛

”介護脱毛”というワードを目にする機会が増えた気がする。 私が気にし過ぎでそう感じているだけかもしれないが、興味はある。その賛否両論は別として、少し考えさせられることがあった。 入院先の突然の休床に伴い、転院か施設入所か自宅退院を数日中に迫られ…

笑い

今の仕事も、事務処理に追われている。 パソコンと向き合い、1人で行う作業が多く、なかなか笑う機会もない。 そもそも 事務処理というワードの「処理」という表現が好きではない。 まれに 食べ物を「処理する」という表現をする人間と出会うが、どうも苦手…

グレー

勤務先の高齢者施設にて 理事長のお母様から寄贈された 年代物の七段飾りのひな人形を飾る手伝いをした。 始めて間近に見るひな人形。 ♬お内裏様とお雛様、五人囃子の笛太鼓・・・ あの歌の通りに小箱に保管されている人形たちは 丁寧に梱包され大事にされて…

白衣の天使

寒い時期になると、お年寄りの入院が増える。 スムーズに自宅退院できるよう、病院のソーシャルワーカーさんと連携してきたが、コロナ禍の今、家族ですら面会は許されない。もちろんケアマネも、今まで通りとはいかなくなっている。 本人の状態が分からず、…

オシャンティー

「2階の男が、電気を流してくるの。ほら、聞こえるでしょ?シャーシャーって。テレビも使えなくなったから、ラジオを聴いてるのよ。この間から、早朝に、台所の電気を付けたり消したりされて、冷蔵庫も止まって。シッ!上に聞こえるから」 「民生委員に言っ…

期待

思い通りにならないときにイライラすることが多い。 他人や周りの環境に、知らず知らずに期待しすぎているのかもしれない。 例のアナグマ女性の支援経過の総評を記載し、台帳を上司に回覧いただく。ものの数分で台帳が返却され、3人の上司の印鑑が押されてい…

害獣⑤ 最終章

救急搬送された翌日、私は休みをもらっていた。何とか彼女のことは考えないように過ごすが、うなされて目覚める。 本来なら入所予定の当日、出勤するとメモ帳がこれでもかとデスクに貼りつけられている。まるで鯉のぼりの鱗のようだった・・・。 朝一で入院…

害獣④ 急展開

「勝手にしやがれ!!」 そう言い放たれた翌日だった。 近隣の有料老人ホームの一覧を見ながらのローラー作戦。一覧の上から順番に電話をかける。もう後戻りはできまい。彼女の気が変わる前に契約に持って行かなくは・・・。 しかし、数十件かけても満床又は…

害獣③「勝手にしやがれ!!」

アナグマと共存の道を選んだ昭和一桁生まれの彼女。 10数年支援に入っているヘルパーさんから、「これ以上、支援に入れない。私しか支援に行けないし、いつアナグマに襲われるかわからない、虫には刺されるし、いくら私が掃除に行っても、アナグマが散らかしたもの…

害獣②

90歳を間近に控えた一人暮らしの高齢女性。過去には国家公務員も経験し、今でも知的な部分を感じられる。一般的に言うごみ屋敷に居住し、ヘルパーによる買い物支援が唯一の生命線。夜のアナグマとの格闘に備えて、日中は和布団に横たわって睡眠をとっている…

可視化&数値化

心臓の大手術を受け、現在自宅療養中の80代女性。最近になって、術後の痛みが増強し、左背部から胸にかけて、鋭利な刃物で繰り返し突き刺されるような痛みがあるという。その痛みがある際には、会話もままならず苦悶の表情となり背中を丸めてじっと痛みが去…

害獣①

しとしとと、昨日から弱い雨が降り続いている昼下がりの事だった。車も通れない路地裏の突き当りに、その家はある。外壁は昔ながらの木造りで、床下は丸見え、木枠に薄いガラスのはめ込まれた玄関の引き戸の下のガラスは割れ、ビニールの緩衝材をガムテープ…

王様の耳はロバの耳

「王様の耳はロバの耳!!!」 井戸に向かってそう叫びたくなることが月に数回ある。(近所に井戸がないのは残念だ) 居宅介護支援のケアマネは毎月1回以上、お客様宅を訪問し、介護サービスに支障はないか、生活でお困りはないかなど面談を行うのが務めであ…

終の棲家

夢占いの女性と、彼女の終の棲家探しに出かけた。彼女は現在、市街地のアパートに一人暮らしである。2階の住人が電気を流してくからテレビも置けないと真剣に悩んでいた。事実は確認できていないが、彼女にとってはそれが事実なのだ。 「緑に囲まれて静かな…

同じ話の繰り返し

歳を重ねると、ついつい気になることは何度も何度も繰り返して話してしまう自覚は既にある。嬉しいことも、心配なことも、心にあることは何度も何度も話したくなるもの。 認知症にも、色々な種類があるのは世間にも知られてきている。私たちのお客様もそのよ…